夜になっても読み続けよう。

地位も名誉やお金より、自分の純度を上げたい。

serial experiments lain(副題・デブは心を壊す)。

皆様、
土曜の昼下がりにおこんにちは。

ちょっと体調不良でお仕事はお休み、
読書してました。

んで、調べものしてましたらば
lain
とゆーゲームにたどり着きまして、
存在は知ってましたが
グロ描写があるのを知ってたんで今まで避けてました。

プレステも人にあげちゃってたし。


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プレイ動画を見て
ファイルと映像の再生だけ、
とゆー物なんですが

サウンドノベル
プレーヤーの飽きがこないように(なるべく何とか)、
いろいろ工夫して見せているゲーム」

としか表現しようがないです。

ただ、
ひじょうに心惹かれる物があって
さらによく調べたらアニメ版は

灰羽連盟

という好きなアニメの原作&キャラデザインの人が関わってるのが分かって納得。

灰羽連盟

は綺麗なストーリーですが
lain
は(ゲームの方)
電脳やら現代やら世紀末やらグロやらで
エッジの効いたストーリーです。

けれど
これはこれで
わたしのとても好きな世界観です。

「萌え」
とは微妙にズレかけてる女の子のキャラデザイン(ぶっちゃけ、何かモッサリしてる)や、

「閉じた社会で
上手く内需拡大出来ていて
経済的に普通の生活をしてる人物が
他人との濃すぎない繋がりで成り立ってる世界」

てのが
わたしはひじょうに好きなんです。

たくさんのお金や
有り余るほどの物や
それらへの過剰な物欲

てな物に
今の世の中溢れてるからでしょう。


玲音(れいん)という11、12才の女の子とが
軽い幻覚や幻聴で
とある研究所(の付属の病院かクリニック)にかかる事から全ては始まります。


カウンセラーの先生は26才の女性です。
これはネタバレしますが





玲音が自我確立するのと反比例して






カウンセラーはおかしくなっていきます。


玲音とは結局何だったのか
てのが
情報が断片的で全容は不明、
エンディングはプレイしてもらった方が良いと思いますが、


うーん( ̄~ ̄;)


と思ったのは
「自分は精神科の病気かもしれない」
っていう焦りが
玲音にはあんまりなくて(「普通になりたい」と願っていますが、
あまり必死さを感じない)
そもそも、
この世界なんですが、

「私達が『現実』だと思ってる世界は
実はバーチャルで」

とゆーよーな
安っぽいハリウッド映画みたいな物とは



逆に



「私達が『バーチャル』だと思ってる世界に『現実』が近付いている」


という解釈が出来ます。


例えば、
メディアでは
「簡単に人を殺す子供が増えているが、
それはゲーム脳がうんぬん」
てな話がよく出て来ます。


実は逆じゃないか、と。

人の命、ってのは元々そんなに
「重い現実」
ではなくて、
あくまで関わっていた人間の記憶、
遺された両親や家族や友人の嘆きが
すごく大切な存在だったと言わしめている。

実際、
「殺されてしまった人」
が孤立無縁だったならば、
マスコミはあんまり騒がないし
人々もすぐ事件を忘れてしまう
そんな無常感を抱いてしまいました。


玲音のカウンセラーは
帰国子女で、
日本の大学なんかバカにしてて
アメリカで大学院まで行って帰国、
日本の研究所に勤め始めてるんですが、
エリートとしてのプライドがあって
論文を出す事をすごく焦っています。

そんなに焦る事はないのになぁ
と思うんですが、
とにかく結果を出さなきゃ
そして恋愛も成就しなきゃ
と必死で
健気に思えるくらいです。


このゲームは基本的に
玲音の日記
カウンセラーの日記
カウンセリング記録
そしてカウンセラーの報告書
これを読んで行くだけです。

途中途中に
ストーリーの核心の片鱗を見せるアニメーションが流れます。

で、
かなり早い段階で
このカウンセラーは
「カウンセラー失格」
な状態になってます。

日記も男の事ばっかり、
とにかくスイーツ脳な状態です。


どうやら
この恋人も
「カウンセラーの妄想」
らしいんです。


「恋愛妄想」

の患者は
その妄想が「妄想」だと分かってしまうと
自我崩壊したり自殺したりします。


玲音は
両親がどうやら「作られた存在」だと薄々知っていて、
なんつーか、
自分の事なのに緊迫感ないっつーか、
それならそれでしょーがない、
と諦観していて
ジャンクで「おとうさん」を作ったりします。

この「おとうさんロボット」を作るシーンが
わたしはすごく好きです。

コンビニで買い物するシーンも好きで、
何故か
カレーヌードルとカロリーメイとウィダーインゼリー(らしき物)を
バッサバッサとカゴに入れて行くシーンを何度もリプレイしてました


銃のシーンが何回か出て来ますが
こうした「人が死ぬシーン」に心惹かれる人は





「ある意味、健全」




なんかじゃないかと。

自分の存在や自我を信じてて
地に足のついた生活をしてて、
それが綻ぶ事がこわい、
そういう人が
何かの拍子に疲れると
ホラー映画ではなく
「アニメーションでの死のシーン」
に惹かれるんではないかと思います。


玲音のカウンセラーみたいに
実はどっか不安定で無自覚なまま壊れてて
自分や自我の崩壊に恐れを抱いてる人は
仕事で
精神科領域に行きたがる傾向があります。

自分の不安への自覚がある人は
「こうした領域」
へは
あまり近付かないようにしています。


逆に
こうした領域で働いている人は


「自分が精神科疾患になったら、
なったで
しょーがない」

と不安を上手く飼い慣らしてます。

そうでない人は
薬物療法を必死に否定したりとか
玲音のカウンセラー同様、
「自分がおかしくなったのは
絶対、何か外因がある」
と頑なに考えて
存在しない原因探しで疲労しますが、
これって「陰謀論」にハマる人と同じです。


わたしが一時、


幻聴が聞こえて


困惑して
とにかく耳鼻科に行ったら
検査の結果、





「耳の神経にコレステロールがたくさん貯まってて、
聴覚神経を圧迫している。
そのせいで聞こえづらくなってて
拾った音が
あたかも幻聴のように処理されてる」





と診断された事があります。

卵を控えるように言われて
コレステロールを下げる薬をもらいましたが
この頃、
すごく太ってまして、
耳までおかしくなる肥満はヤバい

20キロ減量しました。


一年かかりました。


メニエル氏病にもかかってまして、
そのせいで
長くヘッドフォンしてると
外した後がカオスです。

聴覚神経とか血流を良くする薬を飲んでますが、
人と会話してて
とんでもない誤変換してる事が多いですね。

それはそれで
「まあ、しゃーないなぁ」
と折り合いがつけば、
玲音のカウンセラーみたいな
悲劇は防げたのかもしれません。


ジャンクでオブジェやロボットを作る

てのが
しつこいですが、
わたしには本当に魅力的なシチュエーションでした。

玲音は自立してます。


serial experiments lain

serial experiments lain


いつも読んで下さって
ありがとうございます。


過去から継続し続けている自分なんてのは錯覚、
その瞬間瞬間の判断が「自分」
それ以外は
ただの「データ」。