夜になっても読み続けよう。

地位も名誉やお金より、自分の純度を上げたい。

昨日、兄が、孤独死しました3~生活保護受給者のお葬式~

クタクタ越えて
ヨレヨレも越えて













ボロ雑巾みたいになってる千葉県某所より
こんばんは。


相方(夫)の
二番目の兄が孤独死しました。



最初の対応などは以下です。

http://slowstudy.hatenablog.com/entry/2015/04/18/225506







お兄さんは生活保護受給者でした。


生活保護の中には

葬祭扶助が含まれます。



ズバリ、20万円まで。


金額は地域によって違うと思います。


相方の長兄とその嫁(私には義兄と義姉)、
その息子・義理の甥っ子A、Cが駆けつけてきました。


義理の甥っ子Bと
姑(相方の母)は田舎で待機。


姑は高齢でして
新幹線でも上京はキツいので
自宅で待機、
息子の突然の死に動揺を受けてるので
甥っ子Bが付いてケアする、
という事になりました。






生活保護の範囲で葬儀をあげると
どんな内容になるか記しておきます。


まずはお体を拭いて
お顔なんですが
出来うる限り
安らかに眠ってるようにします。


エンバーミングという遺体の長期保存と
生前のように綺麗にする技術は高いです。

そのエンバーミングでは
瞼が閉じない時は
アイキャップを入れます。



ティッシュペーパーを小さくカットして
眼球の上に乗せても
かなりきちんと瞼が閉じます。


お顔の傷や顔色は
お化粧である程度、綺麗になります。



顎や開いているのや手が組めないのは
包帯を巻きます。


そして、
死装束を着せてくれます。



こちらの希望で
故人の好きな服を着せたい、
てのは
オプションになりますが
葬儀会社によっては希望を聞いてくれる事もあります。


人を集めて通夜振舞い(食事とかお酒を出す)のは無理です。


火葬の前にお焼香。


焼き場に入ります。


火葬には1~2時間。


その間、
僧侶に読経してもらう事が多いのですが、
お兄さんと姑は
特定の信仰があったので辞退しました。


宗派を問わないのであれば
料金内で出来るようです。


どうしても
決めた宗派の僧侶に
という場合は応相談です。

ボランティアに近い形でやってくれるお寺もあるそうです。


花輪、立て看板など
飾りは一切なし。


遺影もなし。



遺影なんですが、
お兄さんの身分証明書の写真を
朝イチで
写真屋さんに持っていって
引き伸ばしてもらいました。


最近はパソコンのおかげで
小さい写真からでも
遺影にふさわしく加工してくれます。


それで
一番お金がかかるのは














戒名








なんです。



位牌も割りとかかります。


実家で本格的に法要をやるので
それは結構です
と辞退しました。


骨壺は料金内です。



その骨壺の下に敷く座布団がオプションなんです。


位牌もご不要、
と仰るので
骨壺用の座布団は無料でお付けしますと
用意して下さいました。








本当に最小限度です。




「家族葬」

「密葬」
て言葉を
斎場でよく見かけますが
あれって
具体的にどんなんか。





おそらく、
本当に数人で(配偶者と子供だけ、だとか)、
密葬の場合は
無縁仏に近い形になるんではないかと思います。







田舎にご遺体を運んで
本格的な葬儀は無理だったので
こういう形になりましたが、
葬儀会社の担当の方には
本当に良くして頂きました。












出棺の時に



















DVDを棺に入れようとして
寄ってたかって止められた私は










こういう時でもアホです。





火葬の間は待合室で待機。


外に出てみました。








ああ、これで終わったんだな。


やっと、
肉体と言う檻から解放されたんだな、
白い煙の春が逝く…………








などと感傷にふけっていたら




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最近の火葬場は煙が出ないのね。



長兄夫婦が



「一緒に帰ろうな。
オカンが待ってるで」


と骨壺に優しく話しかけていました。



長兄夫婦と甥っ子達は
そのまま田舎へ帰りました。





私と相方は
お兄さんのアパートへ。


まずは冷蔵庫を空っぽにして
処分する段取りを相談。


そうして、
やっと千葉へ帰りました。


レインボーブリッジから見る都会は
まるでニューヨーク。


私は夜の
ギンギラギンな
クリスマスツリーの電飾みたいになってるビル街より、
宵闇の中、
ポツポツ灯りが灯り始めてる
この時間の方が好きです。


あのビルの中
あのマンションの中、
電気をつけて
さあ、もうひとふんばり仕事だと気合いを入れている人もいれば
帰宅して晩御飯の用意だ
と腕まくりしている人もいるんだと思えるからです。



人は
ただでさえ
自分は世界の中心にいると錯覚しがちです。


だから

「この世のあらゆる困難を解決する方法を考えなくてはならない」

と思ったり

「この世のあらゆる素敵な物が
なぜ、自分の周りに集まってこないのか」

と尊大になったりします。



自分がいなくても
仕事も会社も地球も
グルグル回るんだ
と分かって
私は安心出来るのです。


だからこそ、
とびきり居心地の良い場所を
自分で探したり作ったりしなきゃ
と思います。


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お兄さんは
歳の離れた末っ子の相方を可愛がっていました。


そして、
私の事も
実の妹みたいに大切にしてくれました。





酒盛りが大好きで
誰よりも寂しがりやだったのに
一人で死なせてしまって
本当に本当に本当に
ごめんなさい。





ゆっくり休んで下さい。





いつも読んで下さって
ありがとうございます。








不思議な事と言えば
お兄さんのアパートから帰ろうとすると
必ず
靴紐が解けたり
あり得ない忘れ物したりして
毎回
Uターンします。


やっぱり、一人が寂しいのでしょう。