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夜になっても読み続けよう。

地位も名誉やお金より、自分の純度を上げたい。

ラストエンペラーの二人の妻4~満州国皇后~

皆様、おこんにちは。

第一回目。

slowstudy.hatenablog.com

今回はその4。

天津から連れ出され、1934年に満州が立国、その皇帝として溥儀は即位します。

天津から出るのを嫌がった婉容を何とか
なだめてすかして連れ出したのは
川島芳子と言われています。

公式訪問として1935年に
溥儀は日本に訪日。
昭和天皇とも謁見しています。

ところで、ルーマニアの元大統領チャウシェスクがおかしくなったのは
北朝鮮マスゲームを見てからだと言われています。

それと同じく、大勢の国民が両手を挙げて
天皇陛下万歳」
を叫ぶ姿を見て
溥儀は自分も同じようになりたいと思います。

君主として皇族として
大衆に愛され、支配し……。

一方、婉容は「満州国皇后」として表舞台に出たのは初期の頃だけ。
写真も残っている物は少ないです。

実は阿片中毒が進行していて、ぼんやりしている事が増えてきたからです。
それだけでなく、関東軍や日本人が好きになれないせいもありました。

大陸浪人」と揶揄される事もある関東軍ですが、日本で何かやらかしたり、前科があったり
日本では大きな仕事が出来ないから
いっちょ、中国で、という人物も多かったのです。
特に、甘粕の陰湿な嫌がらせは婉容を怯えさせるのに十分でした。

よってたかって、阿片を止めさせようとする周りの人々でしたが、婉容の精神を壊したのは阿片ではなかったようです。

実家がわざわざ、大阪の薬品メーカーから取り寄せて送ってくれた「モナール」という薬。
これは「脱・阿片薬」が売りです。

1錠飲んでたちまち頭の霧が晴れる婉容。

しかし、この薬は実は


コカイン


でした。

しかも、外国用として、日本国内向けの10倍もコカインが入っているヤバいオクスリ。

特定の麻薬中毒を治すために、別の軽い麻薬を飲ませる、てのは現在でも使われている手法です。

が、更なる凶悪な薬を使ってしまい、婉容はあっという間に
まともに日常生活も送れなくなります。
ディナーで客人の皿まで奪い、ガツガツ手づかみで食べるといった奇行が表れます。

あれほど美しく、お洒落だったのに
ボロボロの服装でフラフラ歩き回り、入浴もせず、髪はボサボサ。

関東軍はこれじゃファーストレディーの務めは果たせないから、側室を持て
と溥儀に進言します。

言われた通り、側室兼「婉容の世話係」の女性を迎えますが、すぐに亡くなってしまいます。

溥儀は後に、この女性は関東軍によって毒殺されたのではないかと主張しています。

真偽は置いておいて、それぐらい、溥儀にとって関東軍は心許せない敵であり
逆に皇帝であるための依存の対象だったのでしょう。

一方、溥儀との離婚が成立して平民になった文繍ですが、慰謝料の半分は、離婚のために尽力してくれた人達に渡しています。

残りのお金を何とかやりくりして生活していましたが、世間の風当たりは厳しく、何を買うにしても上代を請求されるし、しまいには持ち出した宝飾品などを売るようになります。

名前を替えて、ようやく、小学校の教師の仕事を得ますが、元の身分がバレて
たった3ヶ月で解雇されてしまいます。

中国古典文学やマナーを身に付けた人だったので
保育士などもチャレンジしますが
「皇帝の側室だった人は、箸一膳も持てない」
とキツい言われよう。

再婚の話はたくさんありましたが、何とか普通に仕事をして普通の生活がしたかったようです。

とは言え、没落貴族とは言え、元々は「お嬢さん」ですから、職能がなく、持ちものを売るぐらいしか出来ません。

そうした日々が続いたある日、勧められて会った男性との再婚を決めます。
規模は小さいけれど商売をやっている人で、働き者だし博打もしない真面目で優しい人柄に惹かれたようです。

当時のトレンディー(死語)なレストラン(飯店)で披露宴を行い、ようやく安定した生活が送れそうだと安心したことでしょう。
ちなみにこの飯店は、当時は営業してなかった、別の場所だったのではないかとも言われています。
披露宴のために、一時的に使った可能性もあります。

アメリカ、ヨーロッパでは
満州国は体のいい植民地化ではないかと
リットン調査団を派遣して来ます。

これには溥儀もビクビクでした。

もし植民地だから解体してね、と言われたら
皇帝として利用価値のなくなった自分は殺されるのではないかと悶々とし、けれど出来る事は先祖の位牌に祈る事だけ。

リットン調査団の紳士的な質問に一喜一憂。

「ちゃんと『陛下』って呼んでくれたし!」

という具合です。

だからリットン調査団のレポートを見て、ガッカリしたそうです。

関東軍満州国が解体なんて、とんでもないと、八紘一宇、つまり、世界の宗教は全部日本の物がベースである、と溥儀に『教育』しようとします。

満州国を日本が全面的にバックアップすることを望んでいる溥儀は、伊勢神宮のパチモン神社を作ったり
三種の神器のレプリカを作って祀ったり
日本の皇室と関東軍におもねります。

それで弟には、関東軍の後押しもあって、日本の皇族の女性と結婚させています。


そして、王宮では婉容が
半裸に近い姿に汚れたガウン一枚で
フラフラ徘徊してます。

統治能力がなく、皇帝の血筋しかカードがない溥儀にとって
もう周りのは敵か、てんで頼りにならない人ばかり。

戦争はいろんな国を巻き込んだり巻き込まれたりして激化しています。

そうしてサイアクの事態、満州国がなくなる時が来ます。


続く

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甘粕が坂本龍一って、いくらなんでもビジュアル盛り過ぎだろ。



いつも読んで下さって
ありがとうございます。