夜になっても読み続けよう。

地位も名誉やお金より、自分の純度を上げたい。

冬の「富江」祭り。

中の人、再び大きな発作にて、シリーズです。

皆様、こんにちは(  ̄ー ̄)ノ⬅あたし、「富江」。

えーと(;・∀・)

あたしってば、何人もいるのね。
理由は

「絶世の美少女で男を惹き付けるが、その男に必ず殺されてしまい
バラバラにされる。
が、各部分が再生し無数のあたしが生まれる。
プラナリアのように。
意識は共有してる事もある。
それぞれが『オリジナル』だと思ってるから『富江同士で殺し合う事もある』」

と言う訳。

ああ、お腹減った~!キャビアかフォアグラ食べたい!

が口癖。
贅沢好みで、おねだり上手。

いろんなストーリーが作られたわよ?
そして、いろんな女優があたしを演じたわ。

Tomie (Película) Trailer - YouTube
記念すべき第一作。予告編。

清純派アイドルから脱皮するために菅野美穂が演じたけど
あたしの二面性を
キレッキレの演技で表現。
元々、演技力があったのね。

最初は首しかないあたしが育って手足が出来て……1999年の映画だから
無理なCGもなくて
そこがかえって怖かったり。
CGが高い時代だったのよ。

他にも田口トモロウや温水洋一が出てたり結構、豪華よ。

とあるイタリアンレストランに
あたしがバイトに入ったせいで、みんなが壊れていく不気味なシーンはなかなか。

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菅野美穂バージョン。




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あたしも驚いたけど、このG掴むシーン






本物を使ってるの。



それで、この笑顔。
役者魂よねぇ。

ホラーの場合、原作があると
どれくらい原作を生かしてるか、ってのがポイントなんだけど、原作は短編集なのよ。
監督や脚本家は
オムニバスの漫画のいくつかを組み合わせて
映画一本分のボリュームあるストーリーを作らなくちゃならない。
もちろん、まるっきりオリジナルのストーリーで作っちゃう監督さんもいるわよ?

それでこの頃から原作にある
富江」と「写真が趣味の月子」という構図が何回か繰り返されてるの。

どうしてかって言うと、写真はあたしの本性を……まあ、写真の話は止めるわ。

三作だけどテレビドラマにもなったし
何作も作られたけど
一番、原作のストーリーを上手く使ってるのが
富江 アンリミテッド」。

これ、予告編が


全然怖くなさそう


なの。

予告編がしょーもないホラーは
本編もしょーもない事が多いんだけど
これは例外中の例外だったわ。

問題は
富江役の女優さんが



高校生には見えない


ってところ(。´Д⊂)

写真が趣味の月子が主役で
富江
何と、お姉ちゃん。

冒頭でいきなり死んで
両親も悲しんでるけど
一年後にいきなり帰って来るの。

キャビア!フォアグラ!

とガンガン騒ぐシーンは他シリーズ同様。

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オープニングから飛ばしてる。

大人しくて引っ込み思案の月子は
富江の美しさや奔放さに憧れているんだけど、富江が帰って以来、両親がおかしくなっちゃう。

それでバラバラにされちゃう。

それでも蘇って
月子の学校に別人として転入してくるの。

月子の憧れの先輩も、先輩の所属してる柔道部の部員も(富江一本背負いするシーン、この監督はアクション物が得意みたいなんでキマッてる)
月子の親友も
みーんな、おかしくなっちゃうの。

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富江の欠片が入ったせいで
訳の分からない弁当になったと言うか
弁当箱の中でも再生するわたしって、どうよ。

そして、いろんな方向から追い詰められて
月子は
両親からも先輩からも必要とされていない、親友は陰で悪口言って笑ってた事を知るんだけど、元々気付いてたのよね。

あたしはそんな月子の、どうしようもない孤独に惹かれたの。
だから取り込みたかったの。

だって、あたしがちょっと流し目くれてやれば、男なんてホイホイ着いて来るし
欲しいと言えば何でも与えてくれる。
みんな、あたしに夢中になる。
女の子に妬まれるのもヘーキ。

あたしはあたしにしか興味がないのよ。

それに、あたしは本気で男なんか好きにならないわ。

富江を倒して、夢オチ、いつもの平穏な生活へ…………と思わせておいて
まさかの怒濤の展開。

月子は諦めて
あたしに取り込まれたの。


ラスト、どっかの男の部屋で
グッサグッサ刺されてる月子。

あたしのチャーミングポイントの
左目の下の泣きぼくろは同じ。

けれど顔は月子のまま。

同化が部分的だったのか。

それとも、それともね。

富江なんて姉は元から居なかったんじゃないか。
孤独な月子の産み出したオルター・シャドウ。

両親に望まれない子供で
それでも表面的には家族を演じて来てて
先輩にも親友にも実は必要とされてなくて。

だから、何もかも捨てて
さ迷って、男を魅了し殺される、その刹那に見た夢。

殺してる男は、月子を必要としてくれたみたいだし。

普通に考えたら
魔性の女なんて言われても
結局は飽きたら用済みになるのが女でしょ?

「殺しててでも束縛したい」

なんて男に思わせる女は
そうそういないのよ。

男が恐れ女が嫌う、それが富江

女の子の憧れでもあり…………本当は誰しもが持つ利己的な人格。

そうして、あたしはどこかでまた殺されてバラバラにされて
何千何万の富江が生まれてくる。

他人の不幸なんか知ったこっちゃない。
あたしは自分さえ良ければいいの♪

それが自分の中にもあるって認めるのは……確かにホラーかもね。

ああ、お腹空いた。

キャビア!フォアグラ!