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夜になっても読み続けよう。

地位も名誉やお金より、自分の純度を上げたい。

ユーロビートの彼方のピート・バーンズ氏へ。

雪で底冷えする千葉県某所から
おこんにちは。

…………はあ( ノД`)…

また私の愛する人が一人逝ってしまいました。

ピート・バーンズさんです。

実はバブル期のジュリアナブームの頃には
私は遊ぶのをピタリと止めてしまい
この種の音楽には疎くなっておりました。

CDショップでも
デッド・オア・アライブ
ダンスミュージックか色モノ扱いされてて
日本のレーベルもアルバムに「淫獣の舘」とフザけた邦題を付けたりしてたし。


Dead Or Alive - You Spin Me Round (Like a Record)
こちらはこの世代なら一回は聞いた事があるかと思われるヒット曲。


私がバーンズ氏に惹かれたのは


整形手術の失敗以降の人生を知ってからでした。

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全盛期。
この頃には実は、鼻の整形手術をしてて副え木としてアイパッチを着けたら
トレードマークになったそうです。


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整形手術の副作用後。


何でこんななったかには
バーンズ氏の幼少の頃からの話をしなくてはなりません。

文句なしの美少年だったのに
本人は自身を醜いと思い、夜な夜な図画用絵の具で顔をメイクし
うっとりしていたそうです。

「他人に理解されない美意識」
はクリエーターには多いです。

バーンズ氏の場合
アルコール依存症の母親、家に寄り付かない父親
家庭の機能が上手くいってないのも要因かと思います。

それと、何より
色覚の何らかの問題があったのではないかと
私は思います。

ブレイクしてからのステージでの衣装は黒ずくめが多く、プライベートのファッションはリクルート風のスーツのスカートにジーンズと
かなり奇抜な上、色のバランスの統一感がないのです。

次なる要因は
いわゆる「醜形恐怖」と呼ばれる一種の病気や強迫観念です。
これは美男子に多い物で(最近の傾向として、逆も増えています)
薬で治すのは難しい症状です。

女性でもありますが、
女性の場合は
摂食障害リストカット、多数のピアシングやタトゥーに行く傾向があります(目に見える自傷行為)。

強迫観念が進むと、単なる「整形手術中毒」ではなく
時には命の危険も省みない手術をしたがるのも特徴です。

例えば、目を大きく見せるために
眼窩を削ったり
眼球を陥没させたりするのですが
これは開頭しなくては出来ません。

男性の場合、こうした手術を希望し始めると
もう精神科受診を薦められます。

整形手術に一億かけたそうですが
バーンズ氏が医師に望んだのは
シワやたるみのない顔
ぷっくりした唇でした。

そしてモンローやデボラ・ハリーのような
「昔の白人が好む白人美女」
の顔になりたがっています。

整形を繰り返し
ファッションも女性的な方向へ行きます。

腰にチェーンの超ミニワンピースと羽の扇子と
当時のジュリアナで踊っていた女性達そのもの。

もっと女性的にと願う結果、ポリアクリルアミドという、コンタクトレンズにも使われているジェルを唇に打ちます。

これは本来ならば吸収される物質ではありません。

なのに、バーンズ氏の場合、吸収されてしまいました。
この時点で何か異常が起きていると気付くべきでした。

医師は追加で何回も、同じように唇に注射を繰り返します。

そして、いつしか体内に入り込んだ、この大量の物質のせいで
腎臓への入り口が詰まりかけ
全身がこの物質を追い出そうとオーバーフローします。

激しい顔面の痛みと
唇から出血と膿が溢れ出て
タオルを何本も使っても体液が止まらなくなります。

病院で一命を取りとめますが
腎不全と腫れ上がった顔はそのまま。

それを知ったファンが
イタリアに良い医者がいる
と紹介してくれてイタリアへ。

医師の診断が下りました。

「バーンズさん。
あなたは人生を急ぎ過ぎました。
残念ながら、顔を元に戻す事は出来ません。
けれど





あなたには音楽があります」


バーンズ氏は
イタリアに滞在し
体に残ったポリアクリルアミドを少しずつ取る手術と
腎不全を予防する手術を繰り返し受けます。

唇はなくなっているも同然。

それで胃から幹細胞移植をして
唇を両脇少しを残して縫い合わせて
再建します。

これは時間がかかり、普通の唇の表面になるまでの、しばらくの間
流動食を脇の隙間からストローで飲む日々。
歯磨きも出来ません。

痛みも続いて
自殺未遂をしたりしていたのですが
元気になって来ると
奇抜なファッションでベッドに待ち受け
検温や検診に来るスタッフを笑わせたりしてもいたそうです。

そんなこんなで、せっかく得た財産は著作権も含めて全てなくなります。

あのイケメンがもったいない、と思うのがフツーです。
けれど、バーンズ氏は
天が与えてくれた美貌には満足していませんでした。

その美貌は失われてしまったのですが



声と才能は残っていました。


英国の「電波少年」みたいな番組からオファーがあります。

タレント数人と寝食を数日間、共にする、視聴者の投票があり票が少ないタレントは退場。
最後まで残ったら報酬ゲット!

これは

「整形手術に失敗して顔面が変わってしまったバーンズ氏を
笑い者にしよう」

という意図のある番組でした。

集まったのは
アルコール依存症になってしまったレポーター
年取った昼メロの常連女優
駆け出しなのに早くも旬が過ぎかけてる若い俳優やアイドル
元有名アスリート

とキツい面々です。

バーンズ氏は出演の条件に
衣装を選ばせてくれる事
そして
一曲だけでもいいから歌わせて欲しいとお願いします。

そして、この番組で
「You Spin Me Round」
を歌いました。

これは反響が大きく、再ヒットしました。

バーンズ氏のトークやパフォーマンスも含めて
あちこちから別のオファーが来て
結果、
男女や性差、ジェンダーを越えたアーティストとして認知される事になります。

敬愛するデヴィッド・ボウイ
「リデル・リデル・リデル」
のカバーをやったり
この頃のバーンズ氏は生き生きとしています。

同性婚、買い物
Twitterでは楽しそうでした。

突発的な心臓の病だと発表がありました。

離婚した元奥さんとは、生涯に渡って交流が続き
初期のバンドのドラマーは
マネージャーとして支え続けてきて
そして闘病生活を支えてくれた「夫」
いろんな人に愛されていました。

お金がなく、葬儀が出来ないと聞いて
費用をポンと全額出したのは
ライバルとして常に比較されていたボーイ・ジョージでした。

変化を好み
全力で人を、音楽を、ファンを愛してきたバーンズ氏。

どうか、安らかに。

そして、神様が用意した特設ステージで歌って下さい。
きっと神様も、ノリノリになるでしょう。


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自伝です。

いつも読んで下さって
ありがとうございます。