夜になっても読み続けよう。

地位も名誉やお金より、自分の純度を上げたい。

不純な「乙女の祈り」1.~追いかけてきた、いじめっ子達~

寒波で猫たちが
「寒い!何とかしろ!」
と私に怒ります。
「君達には毛皮があるだろう!」
と真剣に言い返している自分が情けない千葉県某所から
おはようございます。

私が中学一年二年生の頃に
いじめに遭っていた事は以前にチラッと書きました。

最近の暴力を伴う陰湿・悪質な物ではなかったのですが
設立して四年目の新しい学校だったので
勉強やスポーツが出来る子、バリバリ不良が混在するカオス状態。
そのいじめの日々がピタッと終わったのです。

三年生の時に趣味の合う子達が数人現れて
漫研を作って文化祭に展示しよう」
という事になりました。

この時、面倒くさい事務仕事や教師との連絡諸々、雑用を一手に引き受けました。

気付くと生徒会まで巻き込んで(漫画やアニメが好きな子が多かった)、どんどん部員が増えるし
顧問になってと数十人で美術の先生に頼んで部活スタート。

結果、教室を2つ使う大がかりな物になり、一番、人が来て大成功しました。

そして、それまで私をいじめていたグループはすごく目立たなくなり
今まで交流のなかったツッパリ系の子から
「ラブレターの代筆をして欲しい。イラストも付けて」
と頼まれて、その通りにしてあげたり
何か、急に、フツーの中学生になりました。

おかげで受験まで頑張れました。

この時、仕事を任せてくれた部員のみんなに
本当に感謝してます。

高校に入って早くも一年近く経ちました。

中学の担任だった先生が(すげえ美人でした)、
「現役三年生二人が下見訪問行くのでよろしく」
と連絡して来ました。

来たのは
ごく普通の中学三年生の女子二人。
仮にAちゃん・Bちゃんとしておきます。

私が驚いたのは
普通科希望で寮に入る
と言われたからです。

遠い地域から寮に入って来る子は
職業科と大学進学クラスが主で
普通科は内実は商業科、偏差値も39で
正直、寮に入ってまで通うクラスではありません。

普通科で寮に入っている子は
スポーツ特待生
相当深刻な家庭事情があるか、です。

Bちゃんは元々スポーツが好きな子らしく
設備を見たいと言って
そっちへ案内されて行きました。

そしてAちゃんが
衝撃の一言を告げました。

私は彼女達を全く知りませんでした。

A「あなたは中学ではすごい有名人だった。
それが、たまたま部活や文化祭が上手くいってリーダーみたいに扱われるようになって
私は見ててムカついていた。
今は過去をリセットしてるつもりかもしれないけど、覚悟しておけ。
来年、入学してきたら
ありとあらゆる手段で
あんたを元のいじめられっ子に返してやる。
来年の春からは地獄だからなっ‼覚えておけっ‼」


ぱっと見に、すごく普通の大人しそうな女子です。

それに面識がない下級生に
ここまで憎まれてる私って。


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教室に帰ってうなだれていると
委員長が近くに来たので、そのままの話をしました。

委員長「おーい、みんなー♪
水がいじめられっ子だったとか
ヘンな事言ってるよ~♪」

別の生徒「ありえない~笑」

クラスのみんなの思いやりに涙しました(本当に、高校での私は、アホアホだったせいもありますが)。

そうこうして冬。
受験日。

私は生徒会役員だったので
忙しく
あちこちをかけずり廻っておりました。

もちろん、講堂での多数の受験生の中からAちゃんBちゃんに挨拶に行く暇もありませんでした。

しかし、物語はとんでもない方向へ向かっていました。

受験日の翌々日。

教頭先生「おい、水。
お前の母校の中学から受験に来た二人だけど」

水「あ、どうでした?」

教頭「英数国




二人合わせて30点




って、どういうことじゃぁあああああああいっっ!!」




水「…………つまり、『それぞれ1科目・五点』…………」

教頭「一人は数学0点、もう一人は英語が0点…………なあ、0点って
白紙でも出さないと
狙っても取れない点だぞ。
お前の中学はどんななってんだ⁉
って言うか、うちの高校普通科
『受験票さえ出せば受かる』
とか思ってない⁉」

水「……………………何だか心配ですね」

教頭「発表前は本当はいけないんだけど、遠い地域からの受験生だから
特別に担任に教えてやっても良いぞ。
うちが不合格確実な訳だから、次の準備をさせないと」

水「ありがとうございますっ!(ダッシュ!)」

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学校は私立、それが落ちるとなると大変です。

他の私立の二次試験を受ける事が普通に多いのですが
有名進学校や大学付属を落ちてきた子が受けに来るので
一次試験より合格率は下がるし難しくなります。

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かつての恩師に電話しました。

そして、かくかくしかじか、と伝えました。

中学の担任は深い深いため息の後
答えました。

「もしかしたら、こうなるかもとは思っていたんだけどね」

そこで
どこか不純な「乙女の祈り」を捧げていたAちゃんBちゃんの
中学生活を聞かされる事になったのです。


続く。


いつも読んで下さって
ありがとうございます。