夜になっても読み続けよう。

地位も名誉やお金より、自分の純度を上げたい。

灰羽連盟~1~3話~

外はふーゆーの雨ー♪

まだ止まぬ~傘がない訳じゃないけれーどー買い物に行きたくなーいー♪

演歌がオープニングのアニメってありませんね(当たり前か)。

ずっと好きな作品の一つに

灰羽連盟

があります。

海外での評価は高かったし、コアなファンも多いのですが
放送されていた2002年当時の
深夜枠を巡るアニメ事情って無茶苦茶だったそうです。
放送前なのに、人手不足でフィルムが完成してないとか、あり得ないです。
この頃から、アニメ業界の人は雪崩のようにゲーム業界へ転職してます。

このアニメを見た時に
ああ、本当にバブル期を知らない世代が育ってきたんだなぁ
と感慨深い物がありました。


高い壁に仕切られ隔離されたかのようなグリの街。

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主人公は落ちている夢を見ています。
カラスが必死に引っ張ってますが無理。
気付くと、でっかい繭の水の中。

これが割れて物語が始まります。


「要約※長々読みたくない方向け」

1.村上春樹の「世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド」な「グリの街」。

2.色っぽい、羽が生えるシーン。

3.灰羽のルールと、飛べない羽と、その羽の分からない存在理由。

4.やっぱり訳の分かんない世界。



「第1話、繭 空を落ちる夢 オールドホーム」

過去の記憶がない主人公。

ここは「灰羽」と呼ばれる者が住む「オールドホーム」と言われます。

みんな、頭に光輪。背中に灰色の小さな羽。

この「灰色の」ってのがミソです。

白なら天使、黒なら悪魔、そのどっちでもありません。

みんな、この世界へ来る時は過去の記憶がありません。
で、繭の中で見ていた夢が名前になると言われます。

主人公は落ちていたので
「ラッカ」
と名付けられ光輪を補助具付きで付けてもらいます。

オールドホームは元々、学校だった建物です。

灰羽」を持つ小さな子供達がたくさんいて、保育園と言うか孤児院と言うか
そうした子供達の養育の場も兼ねています。

繭を見付けた時から甲斐甲斐しくラッカの世話をやき、何かにつけて優しく黒髪の
煙草を吸う姿がアネゴしているのが
「レキ」。
このオールドホームで保育士みたいな仕事をしてます。この世界には七年もいるので、仕来たりや灰羽のルールや薬草作りまで、いろいろ詳しい頼れるネエサン。

レキと一緒に育った、おっとりとしてて優しそうなのが「ネム」。
図書館で働いてます。よく寝ます。隙あらば寝ます。

ボーイッシュで時計台のメンテの仕事をしてる「カナ」。

パン屋で働く、ちょっと空気が読めない眼鏡っ子で料理が得意な「ヒカリ」。

レストランで雑用している、男の子にしか見えない、一番幼い子が「クウ」。

ラッカは全員から、この世界のあらましを聞きます。

自分達がどこから来たのか、何故、羽と光輪を与えられるのかは分かっていません。

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で、混乱する中、健気に適応しようとするラッカですが、その日に羽が生えます。

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ここだけ、何かヘンにエヴァしてます。



「第2話 街と壁 トー灰羽連盟
「第3話 寺院 話師 パンケーキ」

この辺りは世界観の説明です。

グリの街は隔絶されていて
一つだけある門を介して
トーガや話師と呼ばれる人達だけが交易を担っています。

街には普通の人ばかりで
子供もお年寄りもオッサンも妊婦もいます。

どうやら、普通に年老いて死ぬらしいのです。

灰羽には、いろいろ決まりがあります。

「必ず仕事につかねばならない」
さすがに幼児は別ですが、子供のクウも働いてます。

「お金を使ってはいけない」
買い物には、灰羽をサポートしている「灰羽連盟」という機関が発行している
灰羽手帳」
を使わなくてはなりません。

仕事に応じて朱印が押されていて
欲しいものの記名をして渡し、後で連盟が精算しています。
いつもニコニコ現金払い♪
じゃないと無駄遣いが心配です。

「新品を使用してはならない。お下がりしか使えない」
ゆえに、服なんかは古着屋に行きます。
そのお下がりの貰える量も決まってます。
ヒカリが言うには、そのせいで、みんなお裁縫が得意になるとのことです。

布地は新品でも良いんでしょうか。
心配なのは、年頃の女の子が多い灰羽

おパンツは?
ブラジャーは?

後にキャミソール姿を見ますが、羽のせいで多分、普通にブラは出来まい。

それと、羽を出すために服にも加工されてます。細かい演出です。
背中のシーンを見ると、羽用のホールとボタンがあります。
冬は羽をしまう羽袋も被せます。

オールドホームは適度に片付いてたり、ごちゃごちゃしてたりしますが
すっごいスローライフです。
電気は通ってますが、電子レンジなどはなさそうです。
レキはスクーターに乗ってます。
街の人達はオート三輪など、何だかレトロ。

電車や汽車を知らない描写が出て来るので、適度に便利で行き過ぎた文明の利器はなさそうです。

年頃の女の子ってフツー、物欲の固まりなんですが
「お下がりしかダメ。お金も持たない」
って、これ哲学です。

実際、街の人達の一部からは
灰羽達は縁起物みたいな扱われ方をされたりしてます。

この慣れない世界で
ラッカはいろいろ疑問を持ちながらも漠然と
「この街や世界は、わたしには優し過ぎる」
と思っています。

レキは頼りになるネエサンキャラで
そんなラッカに優しくします。

トーガ、話師とは言葉を交わしてはいけない」
許可されたら会話できますが、簡単な手話で意思表示します。

この「絶妙に閉じた世界観」が素晴らしいです。

名誉欲やら金銭欲やら
そうした物が不必要。
結果として、灰羽も街の人達も守られてる、まったりした世界です。

しかし、これには理由がありそうです。

例えば、自身に大きな内面の問題があったとして、都会に住んでたらどうか。
女子力アップとか言って、買い物やメイクやイベントや
そうした消費を楽しんでる内に問題解決を先送りにしてしまい、気付いたら
「女子は終了」てな事態になってたりします。

「各々が抱える、自力で向き合い解決しなくちゃならない自分の問題」

を考えるのに、適度なペースで生活は流れて行きます。
疲れて少し考えるのを休みたい時には、やはり適度な仕事があります。

レキは絵を描くのが趣味ですが、みんな何かしらレクリエーション的に趣味を楽しんでます。

お金を使ってはいけない、てのは
消費の快楽と縛りから開放されてるのです。

そんなこんなで、羽が生えて、その傷が癒えて
ラッカは仕事を探すために
オールドホームのメンバーそれぞれの職場に
見習い&見学に付いて行きます。
そこで、各メンバーのキャラが分かるます。

さてはて、このグリの街はいったい何なんでしょうか。



灰羽連盟 DVD_SET

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世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド

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いつも読んで下さって
ありがとうございます。