読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

夜になっても読み続けよう。

地位も名誉やお金より、自分の純度を上げたい。

「キャンディ・キャンディ」が溶けたとしたら。

注※裁判などの解釈はあくまで
私個人の憶測です。
時系列の間違いなどあるかと思います。
詳しく知りたい方は、いろんな方がブログやサイトで書かれていますので
そちらをご覧下さい。

http://sekichiku.mysite.com/cc/kodansha_01.htm
講談社の見解(リンク先様、まずかったら削除します)。


子供の頃の私を支えてくれた物に
児童文学や漫画がありました。

今回は「不朽の名作」
(らしいのですが私は、第1話しか読んでいません)
キャンディ・キャンディ
がテーマです。

講談社の「なかよし」で連載されていた、作画・いがらしゆみこ、原作・水木杏子
の名作です(読んでないのですが)。

キャンディ・キャンディ
は小学校高学年から中学生の女子に絶大な人気があり
「なかよし」発売の翌日には皆が皆、話題にしていたものです(読んでないから話についていけなかったです)。

大人になって、はやいくとしつき。

著作権を巡って大変な事になり
そのせいで、売ろうと思えば、まだまだ売れたであろう作品が絶版になったのを知りました。

数年に渡る裁判になり
これは


原作者と漫画家の著作権の奪い合いなどではない


出版社やアニメ制作会社、グッズ関連会社なども巻き込んだ、凄絶な横領と利権の奪い合いでした。

キャンディ・キャンディ
の連載が終了。
いがらし氏は、原作者・井沢満氏で
小学館の雑誌上にて
ジョージィ!」
を連載。
こちらは大ヒットとまでは行きませんでしたが、アニメ化もされています。

そして原作の井沢氏に
小学館への委託を止めて二人で管理を持ちかけます。
版権などは、いがらし氏6:井沢氏4でお金は分ける事に。

権利関係に疎かったのか、井沢氏はこれを承諾します。
出版社から原作者を引き離す事に成功したいがらし氏は
井沢氏の許可を得ずに「ジョージィ!」を
海外での出版し、その印税を独り占め(結果的にそういう図に)。

そして「キャンディ・キャンディ」も同様に
自分一人の物にしようとします。

元々は
講談社のエディターの意向は

「ありふれた学園ドラマではなく
『カルピスお子さま劇場』の題材になっている、女児向け文学の要素を全部ブチ込んだ、大河ドラマにして長く読んでもらえる作品を」

というコンセプト。

作画は他にも何名かの漫画家の名前が上がりますが
いがらし氏に決定し、編集と原作者・水木氏といがらし氏とでミーティングします。

「孤児」「明るく、めげない」「ドラマ性のある恋」「突出した美貌はないが愛嬌のある主人公」「見知らぬ援助者」


赤毛のアン」や「足ながおじさん」や「小公女」や、いろんな要素をミックスのした、当時の女児向け漫画にはないドラマを目指します。

そこで、いがらし氏は
それまでのハリウッド女優みたいな
冷たいノーブルな美貌の持ち主ではなく
「金髪碧眼、髪はカールしてて、顔はソバカスで鼻ぺちゃ」
という、女の子が感情移入しやすいキャラを描いて決定。

人間や恋愛のネガティブな側面も書き、作品は大ヒット。

時は下って1990年代。

キャンディ・キャンディ」を読んでいた女児が大人になり、その子供が当時のターゲット層の年齢になっています。

今、リバイバルしたら、まずオールドファンは買うだろうし、うまく行けば
その子供も新規開拓出来て( ゚Д゚)ウマー

そこでメモリアル企画とかやろうとしますが流れます。

「その後のキャンディ」
などの企画も出ます。
これは原作は水木氏のまま、作画は別の作家にという物でしたが
水木氏の反対にあって流れます。
この時の水木氏は、いがらし氏あってのキャンディという思いがあったのでしょう。

しかし、出版社が漫画家としての自分を
必要としていないと知ったせいでしょうか。
それとも「ジョージィ!」の件が相当、儲かったからでしょうか。

いがらし氏はまず、水木氏に(井沢氏の時と同様に)キャンディの著作権を二人で管理しようと持ちかけ
講談社への委託を切ります。

出版社との分断が成功した後、水木氏には無断で
キャンディのプリクラ機にキャンディを使わせます。

これに猛抗議した水木氏に

「アニメーション会社から原作に忠実なリメイクの話が来ていて、どれくらい需要があるかプリクラで試してみたかった」
「ってか、キャンディのキャラの絵はわたしが描いた物だし」

というような回答をします。
キャラはわたしの絵、だったら「キャンディ・キャンディ」の名前を外すべきだし、逆に名前を出すなら著作権いがらし・水木と
きちんと明記もしなくてはなりません。

いがらし氏はこの後、海外でキャンディの画集発売、ラジオドラマ放送など
加速度がついたように
キャンディを売り始めます。

そして「絵画商法」と呼ばれる物にまで手を出します。

「高級複製画」として(実際はオフセット印刷)キャンディのイラストを10万円以上の値段で客に売り付け、高額ローンを組ませる商法でした。

さすがにこれには水木氏がブチ切れ。

これから泥沼の裁判沙汰が開始。

「ストーリーはほとんど、わたしが考えて、水木氏は骨子だけの案を出した」
「わたしの絵があったからこそヒットした」

などなど、すごい事に。

一方、「ジョージィ!」の井沢氏も
作品が勝手に売られているのを知って
この裁判で証言しています。

井沢氏とは和解(部分的に)、後にコンビニ版で「ジョージィ!」が発売。
すごく売れます。
しかしコンビニ版ですから印税などが
いがらし氏は不満だったようです。

泥沼、いや、ベトナム化しつつある裁判中いがらし氏は
ペーパーカンパニーとおぼしき会社を作り
他の会社も1枚咬ませる形にして
「結審してないから大丈夫」
と文房具メーカー、玩具メーカーにキャンディのグッズを作る許可を出します。

著作権が緩いと思ったのか
「そばかすがないキャンディくりそつのキャラ」
の「lady・lady」のキャラのグッズを
台湾で売りさばきます。
これは「新・キャンディ」とキャプションが付いていたり
漫画本も作られていないキャラありきの商法でした。

これらのやり方は大雑把に見えます。
が、ただでさえ、著作権がどこにあるのか、一見では分かりにくい上に
著作権の緩い国が、勝手にパチもんを作って売ってる」
ようにも見える巧妙なテクニック。

どこでこんな方法を知ったのか不思議です。


更に、倉敷などに記念館を建てて
原画展を行ない、サイン色紙やグッズも売ります。

まあ、確かに、あのキャラのデザインはいがらし氏の物でしょう。

日本まんが学会という団体の人物が
「漫画家の方が偉い」
とキャンペーン。
事態は余計にややこしくなります。

最高裁までなだれ込んだ裁判の結果は
水木氏全面勝訴。

リメイク・リバイバルの話に
やぶさかではなかった水木氏も
この裁判でヘトヘト。
「キャンディはあれで終わり」
と宣言。

講談社との契約が切れているせいで
アニメの再放送も不可能。
単行本は絶版に。


一番の被害者は




読者・ファン





です。

文庫本サイズで復刻、大型版でカラーページも復刻
そういう期待がついえます。

何より、ファンがいがらしゆみこ記念館に行って驚いたのは
直射日光の下の原画。
保険もかけずに宅急便に普通に送らせたり
いがらし氏の
「また描けばいいし」
と言わんばかりの、ぞんざいな扱い。

そして大量のキャンディグッズの在庫を抱えるハメになった、50社ほどのグッズ会社からの訴訟が待っていました。


いがらし氏がなんでここまでして
キャンディを売りさばこうとした理由は分からないままです。

この時期にはレディースコミックで執筆されてて、単行本も売れてたし
大金が必要な事情も見えて来ません。

「弁護士からは
『80の結果を取りたかったら100要求するのが、裁判のテクニック』
と言われて、そこまでするの?と疑問に思いつつ、やり過ぎてしまった」

と答弁、
アシスタントもたくさん雇って大変な思いで作画をしたのに
と愚痴ったり
これから先、キャンディが自由に描けないと泣いたり。


……誰かが入れ知恵してたんでしょうか。


バブルが終わって出版業界に影が忍び寄る時代。
しかも少女漫画も女児漫画も大きく変わっています。

主人公は女の子だけど正義のヒロインで
非力な分を魔法でカバーして悪と戦う、てのが主流になっています。

何より「女児向けアニメ」を「女児が見ていない」のと
「大きいおともだち」と呼ばれる大人の男性が見ている時代。

深夜枠のSF物が、セカンドインパクトを起こして、けなげでもないし笑いもしないし過去もない、青い髪の女の子にみんな夢中。

キャンディ・キャンディを『萌え』にリメイク!
月に代わって暴走よ!」


……いや、無理だ。


水木氏は小説版で
その後のキャンディを書いています。
軽い後日談です。


それはともかく、この名作を読んでいた女児の子供がさらに子供を生み、女児になっています。
世代が1つ跨ぐと、再ブレイクが難しくなります。

アニメの再放や単行本の復刻ですが
解決策は

いがらし氏と水木氏が和解し、講談社と再び契約する

どちらかが亡くなる
そして
親族が著作権を放棄するか
相続して片方と和解する

という方法の多分、どれかです。


いがらし氏は
「自分以外の漫画家によるリメイク」
はどうしても嫌でしょう。
そして、さすがにそれは水木氏もしないと思います。


懸念されるのは。

著作権が落ち着いたとしても
グッズなんかはイマドキあんまり売れないでしょう。

それより


パチンコ・パチスロに売られたら嫌だな


と思います。

多分、キャンディをリアルタイムで読んだり見ていたりしていた世代が
遊戯に来るのを見越して
ホールが台を買うだろうし、
ノートやお菓子やバッグなんかをチマチマ売ってるより
でっかいロイヤリティーが見込めます。

フランダースの犬」のアニメがパチンコになる時代です。


「アンソニー・リーチ!」

だとか、すごいダルい演出しかない、つまらない台になりそうです(どんなんか想像がつかない)。

しかし、往年のファンに読む事すら叶わなくしてしまった、これは悲しい事です。

漫画もビジネスなんで
仕方ないですが
何よりも、この作品を愛し、心の支えに少女時代を乗り越えた人達に


大人の金と利権が絡んだ「ドロドロの漫画ビジネス」を見せつけられた苦痛


は、読んでいない私でも
想像に難くないです。


だから水木氏は
これで終わりにしてしまったのかもしれません。


ただ、田中圭一郎さんの漫画で
いがらし氏の息子さんの話を読むと
この裁判の時期は
いがらし氏もヘトヘトのクタクタで
それでも息子さんに心配をかけまいと
明るい笑顔で接していたそうです。

いがらし氏が
本当に
単なる銭ゲバだとは私も(いがらし氏の写真を見て)あんまり思えないのです。

真相は分からないままなのかもしれません。


私がキャンディを読まなかった理由は
第1話で
女児向け文学てんこ盛りのコンセプトが透けて見えたのと
おしん・外国版」
だと思ったのと

この時期に私の「女児の時代」が終わってしまったからでした。


封印作品の謎 少年・少女マンガ編

封印作品の謎 少年・少女マンガ編

封印作品の謎 2

封印作品の謎 2

キャンディ・キャンディ 全6巻文庫セット

キャンディ・キャンディ 全6巻文庫セット


いつも読んで下さって
ありがとうございます。


「キューティー・ハニー」が好きでしたが
あれって「女の子向け」じゃなかったと知った時は衝撃でした。