夜になっても読み続けよう。

地位も名誉やお金より、自分の純度を上げたい。

涼しくならない、おすすめホラー。

夏ですね。

死にそうです。

千葉県某所より、おこんにちは。

お盆休みは「読書合宿」している私です。

ひたすら本を読むストイックな日々。
時々、買い物や家事もしますが、あくまで気分転換のためで、中心は読書。

ちなみに相方は「漫画合宿」してます。

夏と言えばホラーなんですが
最近の傾向として
ゾーッ!
という「寒気を覚えるような話」
つまり、「部屋の隅に何かいて」というお話は
あんまりウケないです。

バイオやインターネットなどを盛り込んだスチームパンク的な、しかもクトゥルフな「ホラーなんだけど壮大」な物がウケてます。

そして、そういう作品は「暑苦しい」。

そこが良いのです。
もう、一気に汗をかいて、ザッパーン!と水を浴びた方が、夜も眠れます。


「チャイルドプラネット」

原作者の竹熊先生が、権利意識にうるさくないのと優しいのをつけ込んでか
勝手にドラマが(自粛)……と、曰く付きの作品です。

それはともかく。

米軍基地がある街に住む高校生の少年が主人公。

正体の分からないB兵器がバイオハザードして街は閉鎖。

この種の話は圧倒的に「ゾンビ化」が多いのですが
さすがは天才竹熊先生。


大人が次々と退行の果てに死んで行きます。

この「大人たちの壊れっぷり」が本当に怖い。

まだかろうじて「子供」である主人公達は頑張ってサバイブして行くのですが
モラルハザードしていく中で大変な事になります。

ただ、主人公達の「僕らは生きている」「生きていく」という姿は
健気。

親への不信とか、世の中への甘えから脱却していく、「主人公の成長の物語」が素晴らしいです。

それと、
90年代中頃から登場したネットや携帯電話は
まだ、どういう方向へ行くかクリエーターも分からなかったので、この時代の漫画に出てくるネットや携帯はかなり面白い使われ方をされてます。

いろんな要素がてんこ盛りです。
近日中に電子書籍化されるそうなので
ぜひ御一読を。

生きていく勇気が(ホラーなのに。いや、SFか)出てきます。

序盤、電脳マヴォで読めます。

「pupa」


「お兄ちゃん……わたし、お兄ちゃんを食べたい食べたい食べたい……美味しい……」




恐ろしいです。

親の虐待と育児放棄のせいで
ずっと二人して支え合って生きてきた兄・現と妹・夢。

その夢が、人間を喰らわないと生きていけない化け物になります。
兄の現は「食べられても、回復する身体」になります。

自分を食べさせる現。
戻る言うても、痛いですよ(泣)。

兄・妹のエロティックかつ、グロい食事シーンは、もう商業誌ギリギリ。

この作家さんは子供を描くのが上手く、この兄・妹を巡って
虐待父や謎の組織やら
壮大になっていきますが、特殊な生物とその生態、ヒトとしての業や親子の間柄など泣けます。

それとクリーチャー含めてクトゥルフしてます。

別の作品ですが
この作家さんの描く「可愛い子供」が地獄に行ったら……という内容…………ではなく、ちょっと見ると「不思議の国のアリス」してる世界に来た子供が
少しづつ世界が変容していき、散々な目に遭います。

けれどそれも別のフラグです。
この世界観がひじょうに絵本してるので、こちらもおすすめです。


玩具修理者

玩具修理者 (角川ホラー文庫)

玩具修理者 (角川ホラー文庫)

これはガチでクトゥルフを意識してます。
作者が理系の研究者なのも作品に生かされてます。

大人になって、主人公が姉に言われます。

「あなたは子供の時に、一度『壊れた』の。それで『修理』してもらったの」


は?

街に住む、無料で何でも修理してくれる謎の修理者。

それがリモコンだろうとゲーム機だろうと死んだ猫であろうと…………。

赤ん坊だった主人公である弟を『壊して』しまった姉。
姉も一部、壊れてしまい、修理者の所へ。

その『修理』の仕方がエゲツナイ。

ラストの『修理された証拠』が怖い。

逆に、この修理者がいれば医者、必要ないなぁと思ってしまう私は
やっぱり、どっか壊れてるのでしょうか。


食欲が落ちるからアイスばっかり食べてしまうんで余計に太った、とゆー方は暑い日にぜひ!


いつも読んで下さって
ありがとうございます。



私は個人的に
ホラーは漫画が一番、有利に表現できると思っています。