夜になっても読み続けよう。

地位も名誉やお金より、自分の純度を上げたい。

ボーイズラブの「オメガバース」とSF。

季節のせいか、鬱々としている私でございます。
千葉県某所から、おはこんにちは。


最近のBL(ボーイズラブ)の設定で

オメガバース

というものがあります。

ヒトとしての基本の性・男女の他
α・β・Ωがあるという設定です。

で、αは社会的に成功する事が(ある程度)約束されていて


女性でも男性器を持ちます。


βは一般的なフツーの男女で、人口のボリュームゾーンです。

Ωは


男性でも妊娠可能


でして、三ヶ月に一回は激しい発情期が起り、αを狂わせるのと
発情期ゆえに仕事が出来なくなるので
単純労働など社会的弱者として生きている事が多いです。

さらに、「運命の番(つがい)」てのが
αとΩ間にはあり、互いに出会うと
他に恋人がいても別れて一生を共にする事になります。
この番がどうかは、一目会ったら、すぐに分かるらしいです。
そして、運命の番に会ったΩは、そのαの番としてチップ付きのネックレスなどを持つ事になります。

αの女性が、Ωの男性を妊娠させる
という事もサラリと書かれています。

ネックレスですが、発情期のΩは、やたらとαβ、男女の関係なく
人を惹き付けてしまうので所有者がいる明しというか
レイプ等の予防でもあります。
また、社会的弱者が多いΩは
勝ち組のαと番う事で、いろいろ守られる事になるとゆー、割りと合理的なシステムです。

逆に、Ωでも、発情期を抑える薬を飲んで、社会的にのしあがって行く人もいます。

この設定はひじょーに好き嫌いが別れるようです。
いわゆる「フタナリ」がそうであるのと同じです。

フタナリの場合、人工的に作った物が多く、本来は「インナーセックス」とも呼ばれます。
実際には「診察したけど、よく分からない」のが一般的です。

オメガバースを好む・描く人は
ひじょうに人間心理を知ってる人が多く、「生まれ持った、自身ではどうにも出来ない部分の悩み」などが恋愛を絡めて書かれています。

また、BL一般でもそうですが
普通の男女の性行為そのものに拒否感を持っていたり、自身の性に疑問を持っていたり、ジェンダーの問題もあって、ややこしい事になっています。


この設定そのものは、実は最近の物ではなく
SFにはチョコチョコと出てきます。

社会がグローバルになったんだから、性もグローバルに。

異星人やら、未来人の進化やら
とにかく「新しいタイプの人類」な訳です。

見た目、表現体がフィメールであっても、中身はメールだったり、その逆だったり、両方持ってたり
宇宙に開拓に行くには、柔軟な思考を持ち、ガンガン働ける人の方が都合が良いので、そうなるプロセスも科学的に書かれていたりして興味深いです。


もう、古典と行っていい作品です。
これは当事、流行ったタイムパトロール物ですが
両性具有のキャラに萌えな主人公が…………はう。


一番、分かりやすい例として下記の作品。

マージナル (3) (小学館文庫)

マージナル (3) (小学館文庫)

マージナル (2) (小学館文庫)

マージナル (2) (小学館文庫)

地球には男性しか存在しなくて、しかも平均年齢が40代と短命です。
月などには女性がいますが、政府が上手く管理していて、地球にいる男性達は、それをロクに知らされていません。

そして、地球はゆっくりと壊れかけています。

マザと呼ばれる女性の表現体を持つ人物が崇められていて、子供は月から作られて来ます。
地球で、女性は妊娠出来なくなるウイルスが蔓延しているせいです。

地球の人々は昔の遊牧民みたいな生活をしています。
が、他の星ではバリバリに科学発展していて、格差が生じています。

地球の荒廃はマザのせいと、クーデターが起こります。
そこへ、両性具有の
外見は少年が現れます。

はっきりと表現はされていませんが、この少年は子宮も卵巣もありますが
性行為をするのは直腸らしいのです。

BLによく出てくる「ほとんど膣と変わらない機能を持つ直腸」(いわゆる「やおい穴」)とは違います。

解剖学的には、いったい、どーなってんの?と思います。

オメガバースですが
この「解剖学的な問題点」が今後の課題ですね。

だって男性の骨盤って、出産には耐え得る事が出来ない作りなんですよ。
「女の子坐り」とゆー、ペタンと足を曲げたままお尻を降ろす事が出来ない男性が多いのは
骨盤の違いのせいです。
ていうか、新生児の頭が通るようには出来ていません。


それと、卵巣と子宮への卵子の動きなどはとても複雑で、月経はどうか、男性器も一緒に持つ事のリスクなど、「そういう世界」
「エンタメだから」
と片付けてはいけない気がします。

私ごときに、人権問題は手に負えません。

それでも、こうした「既定の性を越えた存在」を生み出す、ヒトが持つ創造力の豊かさには
本当に感心します。

幅が広がると言うか、愛情は元々、複雑で多層的な物である事や
他者への気持ちが、結局、自分とは何ぞやという事を教えてくれたりします。

「単なる男女」の場合、性的役割分担や性行為の快楽などで誤魔化されてしまいやすく、オメガバースのように
性の分類が増える事は、ややこしい事にはなりますが
ヒトを幸せにするような気がします。

綺麗好きで繊細なのは、本来は男性ですし
大雑把で先行きに関してはあまり考えないのが女性です。

そして、どんな人であっても
その大小はありますが
男性女性を両方、内包しています。

思春期の女の子が、学校の先生やらアイドルタレントやらに憧れるのは
「絶対、自分に危害を与えない異性」
だからです。

ここで本気で付き合いたいと暴走する子もいますが、壊れるので、近くにいたら止めてあげて下さい。

とにもかくにも、フィールドが広がって行く可能性が強く、お金も稼げるのは
やっぱりBLの分野かもしれません。


いつも読んで下さって
ありがとうございます。


腸も短くなるし、内分泌系もバランス取るのが大変だろうなぁ。