夜になっても読み続けよう。

地位も名誉やお金より、自分の純度を上げたい。

デイサービスのアンナ・カレーニナ。

皆様、おこんにちは。
本日二本目。

よその地域の、デイサービスにお手伝いに行きました。

そこは、スポーツジムのマシンでエクササイズした後(しなくてもいい)、好きな飲み物を飲んで、好きに過ごすスタイルです。

レクリエーションもありますが、やりたくないなら、やらなくてもいいので
皆さん、ハイビジョンテレビで時代劇見たり
読書してたり、いろいろです。

奥の方で3人のマダム、AさんBさんCさんが座ってました。

体調を聞いたり、血圧など計る私。

んで、ふと思って、会話に参加し聞いてみました。

水「あの、変な事を聞きますが、御三人共、その、結婚してからも男性からの誘惑ってありましたか?」

ABC「…………(真面目に顔を見合わす)」

水「あ、すみません。変な質問して。忘れて下さい」

A「ぶっちゃけ、何回かあったわよ。
ただ、夫を越える人はいなかったわね」

B「(うんうん)」

C「水さん、誰かに誘惑されてるんでしょ。
そして迷惑なんでしょ」

水「うわぁ、何故ビンゴなんですか」

A「『幸せな家庭の形はだいたい決まっているが、不幸な形はその家庭ごとに違う』」

水「『アンナ・カレーニナ』、ですか」

B「そうそう。
あの小説でムカつくのはね


主人公のアンナ・カレーニナなのよ」


C「『ボヴァリー夫人』もね」

水「……へっ?(;・∀・)」

A「アンナの方は、亭主がちょっと歳が離れてる事や少々、堅苦しい人ではあるけど、だからって浮気されて当然という男性ではないのよ。
それが、若い男に口説かれて
『運命の出会いだわ♪』
って、スイーツ脳過ぎる」

C「旦那が言う台詞が的を得てるかな。
『夫が働いて得た金で買ったパンを食べ、買ったドレスを着て、それで他に男が出来た、離婚して、子供の親権はこっちにね、なんて認められるかぁっ!』
これに尽きるわ」

B「『人妻と知ってて誘惑してくるバカ男』
もサイテーね。
責任取るつもりもないし、そもそも、アンナが綺麗に着飾ってるアクセサリーやドレス、下着に至るまで、亭主のお金で買った物な訳で」

A「そうそう。
若い独身女性なら、食事やプレゼントや、デートにもお金がかかるし。
それと
『イケナイ事してるスリルを楽しんでる』感がビンビン来る。
当時の女性の地位の低さを考えても、これはないわー」

B「ボヴァリー夫人も、何にも考えてないタイプで
結果として夫と子供も不幸にしてるし。
不倫のために借金しまくりで」

C「水さん、あのね。
私達の年代になっても、そりゃあ素敵な殿方見たらドキドキするわよ。
松潤とか好きだし」

水「…………松潤…………」

C「けど、実際に交際したいとは思わないのよ。
もし、松潤に口説かれたら

『まあ、いやだ。ホホホ。



で、何の罰ゲームなのよ
ゴルァ(*`Д´)ノ!!!』


となるのよ。

恋愛が人生の全てではないし
結婚は生活だから」

A「男って基本的にバカだから
人妻なら後腐れもないし、お金もかからない
と本気で思ってるのね。
それと、人妻の後ろにいる亭主が見えてないのよ」

水「……むむむ」

B「亭主では理想の暮らしが難しい、だから乗り換えよう、ってな主婦はサイアク。
相手に家庭があった場合、そっちも不幸にするし、若けりゃ若いで、慰謝料もロクに払えない。
経済力がないし。
あなた、どんな人に誘惑されても、なびいてはダメよ」

水「いえ、訪問先で押し倒されそうになったり、集金の人に
『奥の部屋に入れてくれませんか?グフフフフフ』
とか言われたりするんで、私に隙があるのかなぁ、と」

C「そういうバカ男には背負い投げ食らわせなさいな。
それか、包丁をこれ見よがしに研ぎ始めるとか(怖い)。
私の主婦友で、口説かれて有頂天になって、離婚されて現在も不幸なまま、って人が何人かいるけど、一時の好奇心だから」

水「…………ううう」

A「今の時代、携帯電話があれば相手に困らないし、
世の中、趣味嗜好が多様化してるのと、その趣味をネットでは公言出来るわよね?
デブ専、熟女好みなら、私もまだ理解出来るけど
『農家のモンペを履いた80才でないと燃えない』
って人もいるし」

水「それ、逆にすごいですね」

B「話を戻すけど、アンナ・カレーニナの場合、帝政期の貴族のお嬢さんで、厳格に育てられてて、そのまま結婚しちゃったから免疫がなかったのよ。
若い頃、テキトーに遊んでりゃ良かったのに」

C「ボヴァリー夫人もそうよね。
小説中毒みたいになっちゃうけれども、今の時代なら
ゲーム廃人になってるわね」

水「だから、スカーレット・オハラみたいな強い、しかも稼ぐ才能のあるヒロインはいまだに人気があるんですねぇ」

A「スカーレットのお母さんって、フランス貴族の末裔だけど、スカーレットのお父さんではなくて、早くに亡くなった男性を想い続けていたの。
自分が亡くなる時に最後に言った言葉は、その男性の名前だった。
それで、スカーレットのお父さんはちょっと壊れてしまった…………読んでて、『ザマア』と思ったわ」

水「男としてサイアクの悲劇です」

C「それがまた、古き良き時代のアメリカの
『陽気で気前の良い粗野な男』
の典型なのよ」

水「ドナルド・トランプみたいな、ですか」

A「そう!あの人は
古き良きアメリカに帰りたいんでしょうね」

B「私達で良ければ、いつでも聞くから、何でも相談してね?
あなたは何だか少し不安定な感じがするの。
そういう所がバカ男を惹き付けてしまうのかも」

C「『触れなば落ちん』ってやつね」

ABC「(ドッと笑い)」








周りにいた男性たち「……………………(なんちゅー会話を……)
(;゜∇゜)」


恋バナは60才以上の方とすると
新しい発見があります。


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いつも読んで下さって
ありがとうございます。

生々しい文学談義。