夜になっても読み続けよう。

地位も名誉やお金より、自分の純度を上げたい。

この世界の片隅に~ふつうの人の良さ~


映画『この世界の片隅に』予告編

注※ネタバレなしです。

今日は曇りだと天気予報で言ってたのに
雨が降って洗濯物を干しておかなくて良かった、な千葉県某所から
おこんばんは。

夫婦で映画を観に行ってきました。

何か、もう突発的に観たくなって
一緒に行ったのですが
相方と映画館で映画を観たのは


バトル・ロワイヤル

以来(夫婦で観るには
趣味が偏向しておりますが、私のせいです)。

原作漫画はすでに読んでいましたが
相方はチラッとしか見ていません。
が、
「ラジオで紹介されてて、見てみたかった」
と。

で、映画館へ。

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パンフです。

終了後。


(´;ω;`)⬅水


m(。≧Д≦。)m⬅相方


WWⅡ前の、まだのんびりしていた日本の広島。
そこで、のんびりした性格で
絵が得意な「すず」の日常が、すずの絵も交えて語られて行きます。

時間は進み、18才のある日
幼少の頃に出会った事があって
すずを見初めたとゆー男性から
お嫁に来て欲しいと申し込みがあり…………この当時の結婚って
ホントにこんなんだったんでしょうね。

すずは相手の事をさっぱり覚えてないのですが
それでもあっさり、軍港の街・呉市にお嫁に行きます。

姑は足が悪く
旦那さんのお姉さんは、よそに嫁いでいます。
まあ、労働力としての嫁取り
な側面もあったと思います。

旦那さんのお姉さんの径子さんは
婚家とは折り合いが悪く、幼い娘の晴美を連れて時々、帰ってきます。

この径子さんが「小姑」なんですが
月日が経つに連れて
すずと分かり合うようになる流れは
私は他人なのに嬉しくなります。

戦局は厳しくなり
日常の物資はどんどん足りなくなっていきます。
雑草を採って工夫して食べたり
国の奨める炊き方で炊いた玄米の不味そうな事。
しまいの方は、もう、毎日おかゆ。

現人神である昭和天皇もしばらくは
毎日雑炊だったのですが
その辺りは「日本の一番長い日」に詳しいです。

海軍に入った幼馴染みの哲が訪ねて来て…………夫が哲とすずを二人きりにするエピソードに
相方が怒っていました。

哲に夫が好きだと言うすずに
ふつうで安心した
オレも世の中も何か間違ってる
と笑うシーンは胸が痛みます。

「世の中が正しかった時代」
なんてないけど
それでも、この時期は輪をかけてひどかったんだろうなぁ、と。

次に夫婦でブチ切れたのは
空襲がひどくなっていく中で
「呉の皆さん!頑張って下さい!」
とゆーアナウンス。

頑張れ?



ふ ざ け る なぁあああああっっ‼


何をこれ以上頑張るんだよ、フツー以下の生活してて、しかも死ぬんだよ!

屋根を突き破って焼夷弾が家に飛び込んで来るんだよ!

着る物どころか
食べる物、米も味噌も塩さえもないんだよ!

今まで戦記物や
戦争じゃないけど何かと戦う映画(ゴジラとか宇宙怪獣とか使徒とか)は
実写もアニメも見てきましたが

空襲のシーンがこんなに恐いのは初めてでした。

音響設備の向上もありますが

「民間人が下から空を見上げた視点」

「高台から下を見ている視点・平行に見ている視点(のカメラワーク)」

を、ひじょうに上手く使っていて
B29が投下爆弾をドバドバ落として行くんですが
地上や、あるいは空中で花火みたいに炸裂します。

これが
「花火みたいには描かれてない」
のがミソなんです。

「うわっ!これはマジで恐い!」

と思いました。
それぐらい、スクリーン上の
絵であるがゆえ
のリアリティーがありました。

すずは大切な物をいくつか失います。

原爆投下に続き終戦。

みんな、人目に触れない場所で泣いてます。

何のための誰のための戦いだったのか。
相手は
「卑劣で鬼畜な所業で神国・日本をねじふせようとしている」
んじゃなかったのか。

自分達は「一方的に被害者」じゃなかったのか。
逆に「実は一方的に加害者」だったのか。
本当の事を教えてくれる人も情報もないから信じてたのに。

泣きくれる人々。

すずも含めて
みんな「ふつうの人達」が
取り戻せない大切な物を犠牲にし続けて来たのに。

サッカーで90分の試合ならともかく

永遠に続きそうな試合に思えてたんです。もちろん、みんなクタクタです。

しかも「選手が足りないから!」と

ゴールキーパーにまで攻めさせて

ゴールはがら空き、ボールは入れられ放題。
嗚呼、せめてせめて、トーナメント戦ならば、運が良ければ勝てたかも
けど、リーグ戦みたいに同じチームと何回も戦う場合のはキツいでせう。

相方のお父さんは(私には舅)、少年志願兵で戦争に行っています。

料理が上手かったので
みんなに可愛がられたそうです。

捕虜になった時は
「こんな子供が兵士に……」
と憐憫されたそうです(そこでも丁重に扱ってもらったそうです)。

話がそれました、すみません。

終戦を迎えて混乱の時期、すずはゆっくりと居場所がどこにあるのか確認します。

ラストのエピソードは
原作漫画でも感動しましたが
映画では更に素晴らしい物になっていました。

だって、ヒトには
例えそれが嘘でも必要なんです。

「希望」って物が。

夢とか明日とか。

このエンディングのエピソードでは
家族という物についても考えてしまいました。

「全員みんな血縁者で仲良し」
な家は少なく、
すずのようにお嫁に来る人
径子さんのように嫁いで行ったけど帰ってくる人
他にもいろんな人がいて
パッチワークみたいに集まって
いつしか馴染んで行けば
それで良いのかも、と思います。

癒し系と言うか、ほんわかしてるキャラと重いテーマが良い意味でマッチしてます。

残念だったのは
すずが親しくなる遊廓の「りん」さんのエピソードが(それと茶碗)
かなり削られていました。

遊女なのが問題であれば、そもそも出さないので
何か理由があるのか。

が、
タイトルロール後
クラウドファンディング協力者の名前一覧が出て分かりました。

ここに、りんさんのショートストーリーが流れます。
これを観て、いろいろ察して下さい
というような声が聞こえました。

このエピソードを本格的に入れると
尺が伸びるのは確実なので
あえて削ったのかもしれません。



アニメで四時間とか
ロシア映画並みに長かったら
観ててつらい


のは確実なので、いや庵野監督ならエヴァで、それくらいやりそうだな、とにもかくにも
戦争は出来れば短期決戦が望ましく
この時代に、夫婦で映画をのんびり観る事が出来る平和を
私は愛しく思います。


今回は本作の画像なしです。
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映画を観てね、サービスサービス♪

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映画の前に
モスバーガー
「ソイバーガー」
とゆー物を頂きましたが、パティが「豆腐ハンバーグ」みたいで
あっさりしてて美味しかったです。


相方の感想。

「シラミが変にリアルで、うえええええ(´;ω;`)」

詳しくは本編で♪



いつも読んで下さって
ありがとうございます。

つくづく思うのは
この時代の主婦は、家事が重労働で…………すみません、見習います。