夜になっても読み続けよう。

地位も名誉やお金より、自分の純度を上げたい。

ハッピーシュガーライフ 四巻~狂気と凶器~

頭痛い~!( TДT)

ロキソニン飲んで落ち着いた千葉県某所から
おこんにちは。

「ハッピーシュガーライフ」4巻が出たので即買い。

1巻からのレビューは以下。ハッピーシュガーライフ、の推理。 - 夜になっても読み続けよう。

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毎回、表紙が似ていて
巻を重ねていくと
私が見分け付かなくなるのではと一抹の不安。
オバサンには
こういう絵はみーんな同じに見えやすいのです。

幼い少女である「しお」と暮らし、しおを愛し守ろうとする主人公の
「さとう」
ですが、彼女がなんで
「幼女と閉じた世界で暮らす事を必死に守るか」。

以前に
「唯一の肉親である(らしい)おばさんは
実は生きているのではないか」
と思ったら、やっぱり生きていました。
しかもかなり壊れてます。

ずーっとDVの蔓延る家庭で育った人の典型です。
初対面の人に
「あなたはこういうタイプで、あれそれ考えてる人ね」
と押し付けて来るのが、アダルトチルドレンには少なからずいます。
そうやって他者を支配したいのか、精神的なマウントポジションを取りたいのかは分かりません。
ぶっちゃけ、質問ばっかりしてくるので
面倒臭い相手です。

さとうはサイコパス
境界型人格障害
とか、いろいろ名付ける事は出来ますが、少なくとも
病院に入れて薬を飲ませなくなくてはいけない部類の人間ではありません。

一見して魅力的だし社交的、しかも働き者。

他の登場人物も何かオカシイ人が多いのですが
間違いなく
「さとうに感染させられた」
ようにも見えます。

今までなら他人には秘密にしておけた性癖、反社会的行動への喜び、そんなんをぜーんぶ暴かれちゃったし。

そうでない「まともで普通な人」は
さとうの世界から弾き出されてます。
バイト仲間のしょーこちゃんとか。

さとうにちょっかいかけようとした教師は
逆に弱味を握られて言いなりになるしかないのですが
そこで頼まれた「ゴミの処分」。

これは解体されたヒトではないか?
とこの教師は推理しますが
中身を開けて確かめてはいません(このかいしょうなしめ)。

さとうはこの教師を信頼など
髪の毛一本もしていないので、真意が分かりません。

「接点のない他人」のモノならあり得ます。

さとうがしおと出会うまで
怒り、悲しみ、嫉妬といった感情とは無縁で暮らして来た事が分かります。
それまではホントに単純に
「快・不快」
「ムカツク・ムカつかない」
で他人をスルーして来たのでしょう。

そうした欠落を埋めるために
交際相手を取っ替え引っ替えしてたのも分かります。

体と引き換えに、相手は何をくれるのかと思いきや
どーでもいい愛の言葉や
結婚とかの空約束や束縛。
真の安息を与えてくれる人はいませんでした。

見返りを求めなく、求められる事もなく
純に愛せるのは、しおだけ。

さとうは束縛も責任も求めていないし
自立出来たら良いだけで
ヤングらしい大きく無謀な夢も持っていません。

一方、しおはしおで、やっぱりDV家庭の子供らしくて
家族の顔も忘れてます。

職業柄心配なんですが
しおの年齢ははっきり分かりませんが
いってて小学校中学年くらいでしょうか。

さとうとの暮らしはシンプルです。

フツー、この年代って
「使いきれるのか?これ」
っていうぐらいオモチャを持ってるし欲しがるし。
テレビも制限されてるようですが
アニメとか見たくないのか?

子供のワガママを言わなくて済むくらい
さとうとの生活は安心できる物で
しおに取っても、さとうは大切な存在に見えます。
元々、物欲や情報を求めないようにしていたのかもしれません。

それと、この年代の子供は病気のデパートなんですが
これから先、子供がかかりやすい病気になったら、どうするか。
学校なんかも、どうするつもりなのか。
いや、勉強なんかは
さとうが教えれば良いだけなんです。
ってか、元の生活でも学校に行ってなかったのかもしれませんが。

子供って16才になれば
「保護者を自分で決める事が出来る」
のですが、それまでこの生活が続くのか。

それと、最初はサイコサスペンスとして読んでいましたが
さとうが不憫になってきます。

こんな風に
「普通に生きていく事が困難な未成年者」
って、どこかで嫌々でも型にハマるか
いろいろ諦めるか
ファンタジーの世界に行くか
それ以外で安心した生活に戻れなくなるからです。

変な方向に私が心配してるのは
私の出身地や高校には
いわゆる「ブロークン・ファミリー」の子が多かったからです。

両親が離婚して
再婚に邪魔だからと互いに引き取りを拒否された子。

前科者で
住民帳で調べて追いかけてきて
毎回、生活をグチャグチャに壊すバカ父。

自分の代わりに毎月50万円の借金返済を押し付けて来るギャンブル中毒のアホ母。

狂っているのは
さとうではなく
やっぱり大人や世間に見えると言うか
それがこの作品の隠れたテーマなのかもしれません。

さとうは生き抜いていくために
これからも自分の中の唯一の純粋な愛を闘っていくのでしょう。


いつも読んで下さって
ありがとうございます。

恋や愛は
元々、狂気のようなモノ。