夜になっても読み続けよう。

地位も名誉やお金より、自分の純度を上げたい。

天使のたまご アニメ ~1.閉じた世界のまどろみ~

皆様、日ごと暖かさがつのります。
使ってもらえるか分からないショールを
腱鞘炎、堪えて編んでます。

私の一番好きなアニメに
天使のたまご
という作品があります。

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「要約※長々読みたくない方向け」

1.どこか分かんないけど詰みかけてる世界

2.卵を抱えている女の子(幼女)のまったりした日常

3.少年兵士と会う

4.少年兵士と別れる

5.そんだけ


作った人達一覧

製作 - 徳間康快
企画 - 山下辰巳、尾形英夫
原案 - 押井守天野喜孝アニメージュ文庫『天使のたまご
脚本・監督 - 押井守
プロデューサー - 三浦光紀、和田豊小林正夫、長谷川洋
美術監督、レイアウト監修 - 小林七郎
作画監督 - 名倉靖博
アートディレクション(正確にはキャラクターデザイン及び美術設定) - 天野喜孝
音楽監督 - 菅野由弘
音響監督 - 斯波重治
撮影監督 - 杉村重郎
編集 - 森田清次
アニメーション制作 - スタジオディーン

1985年のアニメ映画です。
私は上京直前に
地元のショッピングモールの家電コーナーで
テレビがかっこよく積まれていて(バブル期、PVでもそういうテレビの使い方が流行っていました)
そのテレビが全て
このアニメの予告編を流していました。

「上京したら一番に、このアニメを見るんだ!」

と思って、その通りにしました。

賛否両論が極端に分かれているアニメで
「つまらない、退屈、難解」
と言う人あらば
押井守の傑作」
と言う人もいます。

興行的には大失敗だったようです。


「映像と演出だけで見せる」

のが目的で、しかし少女の流れる髪の毛の一本一本までもがうつくしいです。


押井守氏は
「天使の化石と、その卵を抱えた女の子」
のモチーフがどうしても使いたいらしく


ルパン三世
サイボーグ009

で取り入れようとして
企画自体が流れています。

ルパン三世」の場合は
「盗みをしないルパン。そしてルパンは存在しなかった」
と観念的過ぎてボツ。

サイボーグ009

サイボーグ009:re cyborg」
で島本ジョーとフランソワーズが結婚してて、001と親子のフリして暮らしてて、後の00シリーズは亡くなってて……でボツ。

どっちもアクションや推理、サスペンスの要素がないと成立しないアニメなので
ボツになるのも無理はありません。

ただ、「サイボーグ009:re cyborg」では
弟子が監督になり
モチーフが取り入れられてます。


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一部、観念的と言うか
9・11アメリカテロをベースにした
「神への挑戦」がテーマでした。

で、本編の話に戻ります。

全体が廃墟っぽくなっている、終末感あふれる街。

多分、六分儀(ゲンドウじゃないよ)っぽい物が見えるので
天文台らしき場所に
たった一人で住む幼い少女が目を覚まします。

機械仕掛けの人工太陽が昇り、暗い色調と、モノクロや白をメインとした画面が上手く調和しています。
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少女の一日は、駝鳥のくらいある大きな卵を
ワンピースの下に隠して抱える事から始まります。

特別な事は何もしません。

廃屋に入って、残されたジャムなどの保存食を探し
後は水辺に行って流れる水を見つめたり
ビンに水を入れて
博物館やら、自分の住む天文台やら
その階段の端に置いていくだけ。
半端ない量です。

ビンに水を入れて透かして見える世界は
少女だけのミクロ・コスモス。
寂しくもなさそうです。

道を歩いていると、戦車の列。

そこから銃を担いだ少年兵が一人、降りて来ます。

理由があるのかないのか、少女の後をゆっくり付いてくる少年兵。

少女は警戒します。

彼が何者かは分かりません。

戦車がたくさんありましたが
そもそも何と戦っていたのか
あるいは戦いを止めたのか。

少年兵も兵士を止めたのか単なる休暇か。

互いの背景が全く分かりません。

少女はずっと、一人で生活してきたのでしょう。
関わっている他者がいなさそうです。

そこで、ドラマらしい出来事が起こります。

天使のたまご [DVD]

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いつも読んで下さって
ありがとうございます。

駝鳥の卵は美味しいのかな。