「メイコの遊び場」~新しい過去~
まだまだ暑いぜ、セミが鳴いてる昼下がり。
夏になると、子供の頃を思い出します。
60~70年代の「希望や夢を見れた日本」。
で、勧められて読んだ漫画がすごく良かったのでご紹介。
「メイコの遊び場」
↑試し読み多め。不思議な力を持つメイコ。
おとうちゃん(多分)と、あちこち転々としてて学校にも行ってません。
たどり着いたのは大阪・釜ケ崎。
メイコのお仕事は
「人を心を壊す」事。
ところが、遊び友達が出来ました。
昼間は空き地で仲間と、昔懐かしの遊びで
夜は大人を皆壊し(コロシはしない)。
この漫画を語る前に、この二つの作品が必要です。
まずは日活ロマンポルノの
「(秘)色情めす市場」
釜ケ崎の娼婦・とめ。母親・よねも娼婦。弟は重度の知的障がい者。
……名前からして時代が……ゲフンゲフン。
いや、あの、もちろんエッチシーンあるんですけどね。
けれど、この時代の日活ロマンポルノって、若い監督の登竜門で、むやみにアート性が高いんですよ。
だから、この映画のタイトルだけでウハウハと、期待して観に行った人は、みんな
「???(゜〇゜;)?????」
になってたんじゃないかぁ、と。
この映画の背景などに強いインスパイアを受けたと、「メイコの遊び場」の作者があとがきで書かれてました。
指名手配の写真にクリソツなクールな男。毒親というより、自分の中のオンナにこだわる母親。何かから逃げてきて、結局、自分の女を盗られて、何故かダッチワイフを抱えて追いかけ回す青年。使用済みコンドームをリサイクルしてるオッサン。見果てぬ夢を見ていた弟。
そして、コンニャク。
何より、主人公が
「死んだように生きてる」
と語る、物憂いクールさと、完全にいろいろ諦めてる悲しさ。
ゲリラ撮影の部分も多く、そこに臨場感あります。
バブル期になると、日活は世間とは逆にお金がなくなって、ショボいセットで演技する、粗悪なAV並みの作品が増えてしまいました。
次なる作品は
「恐怖症召喚」(「他人事」に収録)平山夢明
- 作者:平山 夢明
- 発売日: 2010/08/20
- メディア: 文庫
中国人の老人(元・僧侶)に手を引かれて来る、不思議な力を持つ少女。
その面倒を看るハメになったチンピラ。
平山夢明さんの小説は、極端にバイオレンスに走らず、「DINNER」同様、どこかスタイリッシュです。
話を戻して、メイコは遊びます。
携帯電話もゲーム機もなかった頃の、体や知恵、そしてその辺の物を使った、昔懐かしの遊びたち。
そして、初めて笑ったり泣いたり怒ったりします。
仲間もそれぞれ、家庭内で地域で学校で、何かしらの差別を受けているマイノリティー達。
学校も別で、その地域に暮らすから何となく集まってるだけの遊び仲間。
特にリーダー格のアスマは、ひじょうに生き辛い物を抱えています。
ところで、メイコの不思議な力というのは、対象を別の世界に連れていってしまう事。
そして、対象を壊します。
その世界は、メイコの心象風景らしく、メイコの表情が豊かになるに連れて、少しずつではありながら豊かになって行きます。それと半比例して、力が発揮できなくなってしまいます。
ところで、この時代の遊びの懐かしさは逆に、新しく感じます。
知らない遊びも多かったし。
仮面ライダーごっこも、やりましたねぇ(たいてい、人質役)。
けれど、メイコの「遊びの時間」「子供の日々」は、唐突に終わります。
遊び場を出ていくメイコは過去に思いを馳せる事はなく、大人の眼差しで未来を静かに見ています。
メイコが生きていたら、私より1つ年上。
彼女は今日もどこかで、無表情のまま漂うように遊んでいて欲しいです。
ところで、
コンニャク
なんですけどね。
相方は若かりし時、人に「試すといいぜぇ~」と聞いて、深夜にこっそり電子レンジでチン♪したそうです。
で、真ん中に切り込み入れて、張り切って、張り切った○○○○を突っ込んだら
火傷
したそうです。
電子レンジって、表面はちょうどいい人肌な温度なのに、内側は熱々にしてしまうからなんですけど、オトコって…………バカじゃね(泣)。
水