夜になっても読み続けよう。

地位も名誉やお金より、自分の純度を上げたい。

「メイコの遊び場」~新しい過去~

まだまだ暑いぜ、セミが鳴いてる昼下がり。

夏になると、子供の頃を思い出します。
60~70年代の「希望や夢を見れた日本」。

で、勧められて読んだ漫画がすごく良かったのでご紹介。

「メイコの遊び場」

↑試し読み多め。

不思議な力を持つメイコ。
おとうちゃん(多分)と、あちこち転々としてて学校にも行ってません。

たどり着いたのは大阪・釜ケ崎。
メイコのお仕事は
「人を心を壊す」事。

ところが、遊び友達が出来ました。
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昼間は空き地で仲間と、昔懐かしの遊びで
夜は大人を皆壊し(コロシはしない)。

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この漫画を語る前に、この二つの作品が必要です。

まずは日活ロマンポルノの
「(秘)色情めす市場」

(秘)色情めす市場 [DVD]

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  • 発売日: 2007/06/22
  • メディア: DVD

釜ケ崎の娼婦・とめ。母親・よねも娼婦。弟は重度の知的障がい者
……名前からして時代が……ゲフンゲフン。

いや、あの、もちろんエッチシーンあるんですけどね。
けれど、この時代の日活ロマンポルノって、若い監督の登竜門で、むやみにアート性が高いんですよ。

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だから、この映画のタイトルだけでウハウハと、期待して観に行った人は、みんな

「???(゜〇゜;)?????」

になってたんじゃないかぁ、と。

この映画の背景などに強いインスパイアを受けたと、「メイコの遊び場」の作者があとがきで書かれてました。

指名手配の写真にクリソツなクールな男。毒親というより、自分の中のオンナにこだわる母親。何かから逃げてきて、結局、自分の女を盗られて、何故かダッチワイフを抱えて追いかけ回す青年。使用済みコンドームをリサイクルしてるオッサン。見果てぬ夢を見ていた弟。

そして、コンニャク。

何より、主人公が
「死んだように生きてる」
と語る、物憂いクールさと、完全にいろいろ諦めてる悲しさ。

ゲリラ撮影の部分も多く、そこに臨場感あります。

バブル期になると、日活は世間とは逆にお金がなくなって、ショボいセットで演技する、粗悪なAV並みの作品が増えてしまいました。

次なる作品は

「恐怖症召喚」(「他人事」に収録)平山夢明

他人事 (集英社文庫)

他人事 (集英社文庫)


中国人の老人(元・僧侶)に手を引かれて来る、不思議な力を持つ少女。
その面倒を看るハメになったチンピラ。

平山夢明さんの小説は、極端にバイオレンスに走らず、「DINNER」同様、どこかスタイリッシュです。

話を戻して、メイコは遊びます。
携帯電話もゲーム機もなかった頃の、体や知恵、そしてその辺の物を使った、昔懐かしの遊びたち。

そして、初めて笑ったり泣いたり怒ったりします。
仲間もそれぞれ、家庭内で地域で学校で、何かしらの差別を受けているマイノリティー達。
学校も別で、その地域に暮らすから何となく集まってるだけの遊び仲間。
特にリーダー格のアスマは、ひじょうに生き辛い物を抱えています。

ところで、メイコの不思議な力というのは、対象を別の世界に連れていってしまう事。
そして、対象を壊します。
その世界は、メイコの心象風景らしく、メイコの表情が豊かになるに連れて、少しずつではありながら豊かになって行きます。それと半比例して、力が発揮できなくなってしまいます。

ところで、この時代の遊びの懐かしさは逆に、新しく感じます。
知らない遊びも多かったし。
仮面ライダーごっこも、やりましたねぇ(たいてい、人質役)。

けれど、メイコの「遊びの時間」「子供の日々」は、唐突に終わります。
遊び場を出ていくメイコは過去に思いを馳せる事はなく、大人の眼差しで未来を静かに見ています。

メイコが生きていたら、私より1つ年上。
彼女は今日もどこかで、無表情のまま漂うように遊んでいて欲しいです。

ところで、


コンニャク


なんですけどね。

相方は若かりし時、人に「試すといいぜぇ~」と聞いて、深夜にこっそり電子レンジでチン♪したそうです。
で、真ん中に切り込み入れて、張り切って、張り切った○○○○を突っ込んだら


火傷


したそうです。

電子レンジって、表面はちょうどいい人肌な温度なのに、内側は熱々にしてしまうからなんですけど、オトコって…………バカじゃね(泣)。