夜になっても読み続けよう。

地位も名誉やお金より、自分の純度を上げたい。

コスプレーヤーは血を流す。

曇天ですが、玄関先のナスとキュウリとトマトが、あり得ない勢いで伸びてきている千葉県某所より
おはようございます。


このブログの初期に取り上げた
「コンプレックス・エイジ」
という漫画ですが

ゴスロリが好きだけど
加齢と共に似合わなくなってきた女性の苦悩」

がテーマでした。


これで作者さんは新人賞授賞、すぐに連載開始、新人でカラーページ付きと破格の待遇、しかも作品はヒットしています。

最近は、中国&日本の文化ミックスのファンタジーを連載されてます。

週刊モーニング」のウェブサイトで無料公開されたデビュー作が
120万hitしたという異例な事態に。

こちらから読めます。

www.moae.jp


ピース又吉直樹さんの
「火花」
もそうですが
「好きを諦めるかどうか」
というテーマはキュンキュンきます。


そして、テーマは同じでモチーフを変えたのが
連載版「コンプレックスエイジ」でした。

こちらは
魔法少女アニメのメインキャラの





コスプレ




を命懸けてやっている女の子の苦悩と悩みと成長」


とゆー、ひじょうに広がった、しかも重い内容です。


第1話。無料で読めます。

www.moae.jp




現実の女の子にはない、アニメの頭身に近付ける努力、衣装へのこだわり、そうした事だけでなく
コスプレイヤーさん用語や、その舞台裏などが
これでもかとぶちこまれています。

知人にレイヤーさんが二人いますが
二人とも
仲間以外には秘密にしてます。

「そんな風に『人に言えないような趣味』と世間では捉えられてるの?」

と聞くと
そうなんですよ
と悲しそうに答えられてしまいました。

つくづく日本て偏屈な国だ。

確かに80年代頃から始まったコスプレは迫害されてました。

「漫画やアニメは描いたり読んだり見たりするもので『する物』ではない」
という位置付け。


ところで、レイヤーさん達は
多くが衣装もろもろ、自作してます。

既製品を買う方は「購入派」と呼ばれています。

甲冑とか
あれは100円ショップのバケツをカットして色を塗って重ねて作るとか
みなさん工夫してます。
戦国時代の鎧のレプリカなど
雑誌で通販されたりしてますが
本物に近い物は重すぎて、一人では着られないし動けません。

そして
「基本的に子供や幼女が多いアニメキャラにおいて
年齢と共に似合わなくなっていく自分」
で悩んでいる方も多いです。

冬などは太りやすいので常にボディにコンシャスでシェイプしているし
メイクはもう、顔の輪郭から目の大きさまで変えるイリュージョン。
加齢によるシワやタルミと戦い、時には性別すらも変えて頑張っているのがレイヤーさんです。

今はどこの職場も、ブラックで当たり前で
その仕事をこなし命を削って稼いだお金で
完璧なコスを目指し、そして楽しんでいます。

三次元の物を二次元に落とし込むのは容易ですが
二次元の物を三次元に起こすのは
ひっじょーに難しいです。


「普段の自分とは違う、アニメのキャラになりたい」
と言うより
「自分も含めて、コスプレで作り上げた作品を、写真に収めてアニメの1シーンを現実の絵として仕上げたい」
てのが近いように思います。

これって、もうアートの概念です。

実際に写真を見せてもらいましたが
素晴らしかったです。

こんな風に世知辛いこの世界を
彼女彼らは楽しんで生きているのだと思うと
やっぱり
「若い人から学ぶべき事はたくさんあるなぁ」
と感慨無量になります。


好きは呪いです。

そして楽しむ事は喰らい尽くす事であり
時には
「似合ってねぇーよ、ブス」
「バカみたーい」
みたいな、心ない言葉を投げ付けられても
ペイされなくても、安く作る事を信条に
血を流しながらも全力で楽しむのです。


コンプレックス・エイジ コミック 全6巻完結セット (モーニング KC)

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いつも読んで下さって
ありがとうございます。


朝の四時からレース糸と格闘してる私もまた、同類かもしれません。