夜になっても読み続けよう。

地位も名誉やお金より、自分の純度を上げたい。

2015-06-22から1日間の記事一覧

絶歌~4.殺人ボランティア~

「その可能性」を全く持ってなかったのだろう。 少し青ざめ、 唇を震わせて言った。 「もしや…………代理人がか?」 熊沢は相変わらず、無表情で答えた。 「それは分かりません。 けれど、 社長もこの手記を読まれましたよね?違和感があるんです。 『事件に至…

絶歌~3.○○を持った渡り鳥~

社長はため息をついた。 確かに「未成年者の凶悪犯罪」だった。 当時19才の永山則夫はピストルで四人の人間を殺傷している。 「拳銃での犯罪、 ってのは 今でもレアなケースですね」 熊沢は眉1つ動かさずに言った。 「北海道でネグレクトに近い育て方をされ…

絶歌~2.無知の涙~

都内、某出版社。 「おおい。熊沢君は?」 社長は熊沢の姿を ここ10日ほど見ていない。 オフィスの入り口で声をかけると 忙しそうにしている別の男性社員が答えた。 「熊沢さんなら、 ずーと、使ってない物置部屋にいますよ!」 物置部屋と言うか たまに在…