夜になっても読み続けよう。

地位も名誉やお金より、自分の純度を上げたい。

「奈落の羊」(最終回)と「出産クラウドファンディング」。

皆さま、お久しぶりです。


体調が悪くて何もしてませんでした。
まあ、こういう時もあります。

ただ、支えてくれたり一緒に居てくれる人が全くいない、てな状況だとキツいだろうなぁと思います。

しなくてもいい事や無理を自分に課したりして、余計に悪化させたり。

さてはて、漫画の「奈落の羊」が終わりました。

この作者さんの描く世界は
どっちかと言うたら、サークルや部活や学校と
広いようで狭い世界の中、人を上手く操るキャラがいる。それでコミュニティーがズタボロにという内容が多い気がします。

動画配信で食って行こうと思っている底辺大学の学生・しゅーじが
身を売って何とかギリギリの生活をしている女の子・メイを見つけ「企画」と称して、あれこれやらせ、それが大当たりし……。


ところが、ヤクザの揉め事に巻き込まれるわ、児童売春の組織が出てくるわで
どんどんディープになっていきます。

奈落の羊 : 4 (アクションコミックス)

奈落の羊 : 4 (アクションコミックス)

さて、「有名プロブロガー」に憧れている大学生が
「妻の妊娠費用に、50万円、クラウドファンディングで集める」
と公言し炎上しました。

これって、何か似てるな。
そうだ、これは


「動画」を「Twitter」に代えただけ。



妻子も出産も「コンテンツ」と化してます。
いろんな人が公的な扶助やら親の援助を受けるように助言してましたが
本人はどうしても、クラウドファンディングにこだわりたい様子。

出産はともかく、子供って産んでからの方がお金がかかるし
何より本人は大学生。
四回生なのに今の時期になっても単位が足りないので、思うようにバイトも増やせない。


…………は?


クラウドファンディングで出産したら、みんなの子供みたいなものだし、お金がなくても子供が産める世の中としてのスキームに(略)」


…………これって、クラウドファンディングでやるべき事なの?
出産ってパーソナルな事ですよね。

「子育て」は地域の問題であり、国の課題でもありますが
出産はちょっと違う。

クラウドファンディングというくらいだから、リターンが必要です。
利息を付けて返済ならともかく、リターンが「お子さんのビデオ」。
貰っても換金性がないし。そもそも、知人や友人の子供のでも、そうした物は苦痛なのに。


そしてTwitter内でも「ジェントリフィケーション」化(「地域浄化」。元々は中流以下の地域が、何らかの理由でハイソ化し、上流の世代が増えて家賃などが高騰し、元から居た人達が流出したり新しい住人と揉める)が始まっています。
最初はいわゆる「バカッター」と趣味を突き詰めている人達は住み分けが出来ていました。
「意識高い系」や、さとり世代が社会人になった辺りで何だか変わってきました。
有益な情報や、リアルで見つけたおもしろネタは歓迎されますが、悪ふざけやレイシズム、暴力が絡んだ内容は以前よりかなりバッシングの的になっています。

こうした事を踏まえて、他者の意見を聞かず、無視し、「ぼくがおもう世の中のかえかた」を認めさせようするのは至難の技。

これからどうなるのかは分かりません。


漫画の方に話を戻しますが
メイに情が移りつつあったのですが
現実世界でのドロドロやシビアさを知り何もかも失った、しゅーじ。

最後のピンチも何とか乗り越えます。

そして、しゅーじは貧困国へ。
そこでも動画配信を続けて行きます。

メイは自身の経験を小説に。
これが当たるかどうかは分かりません。

以前、真冬にコートも着ていず、ボサボサの髪で道端にうずくまっていても
目に入れてくれる人など居なかったメイに取って
しゅーじはやっぱり、神様でした。

そして、時には罵り、時には励まし、時には褒める動画のリスナー達は
しゅーじに取って神様でした。

異国のヤバい地域に行くしゅーじの動画の中に書き込まれた優しいコメントは、多分、メイ。

それに気付いてかどうか、しゅーじの最後の唐突な言葉。

二人はもう会う事がないのかは分かりません。
が、ネットの世界では繋がっています。

しゅーじが動画を配信している限り、メイが創作活動を続けている限り、
二人は会えなくても互いの安否を知る事は出来ます。

そして、互いが背負っている不幸を
誰かが肩代わり出来ない事を
二人は知っています。
この不幸の根本を克服するのは自分だけ。
そして、誰かに肩代わりさせてたりしてもいけない事を、二人は知ってしまっています。


「破滅する人間は、実は破滅したいから破滅するように行動している」
と言う言葉があります。

自分から不幸に近付いて、不幸になり、そこから出る事が出来ないだけでなく更なる奈落へと沈んで行く……一時の好奇心や快楽と引き換えに。

反対に、人には
「不幸になる権利」てのもあります。

「生きていられれば、幸せになんかなれなくても構わない」
と言う人がこの世界には存在します。

この世界の中で
私は今日も
どこかの誰かと
それと知らないまま、繋がっていくのでしょう。

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いつも読んで下さって
ありがとうございます。

相方が居て、家賃払えて、三食食べられてお風呂に入れて布団で眠れて
たまに読書出来れば
私は幸せ…………って、やっぱ、ハードル高いぞっ!!