夜になっても読み続けよう。

地位も名誉やお金より、自分の純度を上げたい。

渇愛 リモート読書会④

乙女「ホストクラブで“ガッチャン芸”や、“一晩で一千万使いました!”なんて話を出すけど、
あれホストに本気で狂ってるわけじゃないんだよね。
“推し活で勝ちたい”“一番になりたい”“承認されたい”という欲が暴走してるだけ。

『星屑の王子様』なんて完全にその裏返しでしょ?
“どうやって落として依存させて、沼らせて、夜職に行かせて、店に金を落とさせるか”ばっかり書いてあるし。
社会的意義とかゼロで、ただの感情の搾取」


グランパ「男として言わせてもらうと……
女から搾取して自分を飾り立てるなんて、情けないにもほどがある。
自分を磨く努力をせんで、人の孤独につけ込んで金を吸い上げる……わしには“男の沽券”を投げ捨ててるように見えて仕方ない」

真一「おお!昭和の男!

でも、ホスト業界って、
“まともな倫理観を持ってたら売れない世界”
ってホスト本人が言ってるくらいですからね。

『星屑の王子様』でも、
お客の女の子を“商品として管理する”って平然と書かれてるし。
ホスト側も、
売れるために“悪人を演じ続ける”構造
から抜けられなくなるんでしょうね。

で……オッサンになったら?
ほとんどのホストは“消える”。
夜の世界で使い潰されて、
別の仕事も続かなくて、
どこにいくのか分からない」

 

真一「“弱者は環境を整えられない”

言葉、りりちゃんの人生そのままだったよね。

環境は整えるものじゃなく、
“流される場所”として存在してて、
歌舞伎町はその最終形みたいなものだった」

乙女「しかも、整えられないのに、
“環境に合わせて自分を演じる能力”だけはすごい。

甘える
弱く見せる
しおらしくふるまう
相手の好みを察する
あれ全部、“今この瞬間の身を守る技術”だよね。

でもそれは逆に言うと、
長期的に自分を守る技術が全然育たなかったってことだと思う。」

水「だから、あれは
“怠惰”や“甘え”じゃなくて、
未来を持てなかった人間のサバイバルの副作用
なんだと思う。」

グランパ「弱者は低きに流れるのではない。
“他に流れようがないように、周囲の地形ができている”
というやつじゃな。」

「星屑の王子様」1巻 小学館 茅原クレセ 

水「夜の世界って、
“加害と被害が入れ替わり続ける場所”でもあるんだよね。

ホストも最初は貧困や家庭不和から入って、
“必要とされる場所が他になかった”って人も多いし。
そのうち
“人を依存させて金を引き出すことが
唯一のアイデンティティ
になっちゃう。

りりちゃんも同じで、
ホストに依存してたんじゃなくて……
“誰かに必要とされてるように見える自分”が欲しかっただけ。
だから、形が歪んでもやめられなかった」

★最近のホスクラ

乙女「風営法改正でホストクラブも規制が厳しくなって、経営が相当キツイみたいね。
看板の大きさも指定されて、『ナンバーワン』『一億円プレイヤー』みたいな文言も禁止されて……。
そのせいで、看板の肩書が『頑張った人』『次に頑張った人』ってなってるの見た?
もう、小学校の教室の後ろの“今月の目標”ボードよ」


真一「見た見た!
“お前らは夏休みの工作か!”ってレベルのゆるさ。
もはや大喜利だよね。
ホスト本人が逆に恥ずかしくならないのかな」

↑ああああああ

宣伝カーがモザイクだらけに。


乙女「バースデーイベントもラストソングも禁止でしょ?
あれこそ“ホストクラブという異世界の見どころ”だったのに。
規制でなくなったら……
ただの薄暗いカフェじゃん」


水「それでも、“健全化”が難しいのよね。
売掛(ツケ)も禁止、客を夜職に紹介するのも禁止。
最近はティックトックで『初回1000円』なんて、信じられないダンピングが始まってるし。
小さな店なんて『初回無料』どころか、『来店でAmazonカードプレゼント』なんてのまで見た。
もうカオス」

真一「そこまで無理して営業するくらいなら、いっそ閉店した方が良くない?
何かを提供するより、“店を続けるために金をばらまく”って、本末転倒すぎる」


グランパ「うーむ……。
でもな、ホスト見てると、
首元や手の甲、見えるところにタトゥーがびっしりの若い子が結構、多いだろう?
ああいう子たちは、他の業種じゃ雇ってもらえない。

社会のどこにも行き場がなくて、
結局“夜の世界だけが受け皿”になるんだよ。
だから単純に“全部やめろ”と言えん事情もあるわけだな」


水「そうなんですよね……。
“搾取の場”なんだけど、同時に“排除された若者が最後に辿り着く場所”でもある。
りりちゃんのケースを見ても思うけど、孤独や居場所の欠落って、人を簡単に“極端な場所”へ追い込む」

乙女「ホストと頂き女子って、正反対のように見えて、実は“孤独のかたち”がすごく似てると思うんだよね。
どっちも“自分の価値を外側に置かれている”というか……」

真一「分かる。
ホストは“指名してくれる女の数と額”が価値。
頂き女子は“男から引き出した金額”が価値。
職業も方向性も違うのに、
自分で自分を肯定する回路が育ってないのは同じ」


水「しかもどっちも、
“普通の場所では自信を持てなかった”って背景があるのよね。
学校、家庭、職場……
どこでも“私(俺)はここにいていい”という感覚が得られなくて、
最終的に《極端にわかりやすい肯定》を求めてしまう」


グランパ「つまり、ホストは“モテて金が動けば正義”、
頂き女子は“金を取れれば勝ち”、
そういう近道の承認を手に入れようとするんじゃな。

だが短い道は往々にして、
後で深い谷底に落ちるようにできておる」


乙女「それでいて、一番怖いのは、りりちゃんは、ホストの誰も愛してない。

推してるだけ」

真一「ホストも頂き女子も、
“普通の恋愛”という世界に自分が入れないって根っこがある気がする。
だから、金でしかつながれない世界に逃げ込む」


水「しかもその世界では、
“金を出す=愛情”
“金を取った=勝利”
そういう極端な記号で全部が動くから、
孤独がますます深まる」


グランパ「どちらも、
“人から大事にされた経験”が乏しいと、
自分の価値を証明するために
他人を利用せざるを得なくなるんじゃろうな。
それは悲しい構造だな」


乙女「りりちゃんの話って、“犯罪”ばかりが注目されるけど、
根っこにはホストと同じ“自分の生まれた世界で肯定されなかった子の孤独”があるよね。」


真一「ホストと頂き女子の構造を見てると
“搾取する側も、される側も、結局は同じ穴のむじな”
ってよくわかる。
どっちも《孤独の外側》に出られないまま、大人になっちゃった人たち」

「だからこそ、
渇愛 頂き女子りりちゃん』って単なるスキャンダル本じゃなくて、
孤独が人をどこまで連れて行くのかを描いた、ある意味で社会の鏡なのよね。」

真一「『頂きマニュアル』よみましたけどね」

乙女「ええええええっ!!

真一さん、何してるの!?」

グランパ「……もう笑うしかない」

水「あれは確かに、一万円の価値はあります」

乙女「水さんまでぇえええええっ!?」

真一「あのマニュアルってさ、『おぢ』を『姫』に変えたら、まんまホストに使えるじゃない。

つまり、された事へのリベンジだし。

詐欺だと言うけど、じゃあソープとか売春は良いの?という声が聞こえる」

 

全員「……………………」

 

 

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