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夜になっても読み続けよう。

地位も名誉やお金より、自分の純度を上げたい。

ブラック・ダリア事件~7.ここから先へ~

注意※画像は普通の物しかありませんが、文章に残酷な物が含まれています。
耐性のない方はご注意下さい。


さて
「オレのパパが真犯人」
「いーえ、アタシのダディよ」
という趣旨の本には
「退行催眠で殺すシーンを思い出した」とか、ピンボケ過ぎて何が何だかの写真が
「証拠」
として扱われている物がほとんどで、スティーヴ・ホデル氏の本が、そうした物とは明らかに違うのは読むとよく分かります。

これだけ時間が経過している中で
よくもまあ、こんなに情報を集めたなぁ
と感心します。

それはちょっと置いておいて
「遺体を人目につきやすい所へ遺棄する」
のは、社会や権威、警察への挑戦です。

そして、性的連続殺人の場合
犯人は絞殺を選ぶ事が多いです。
テッド・バンディもしかりですが
被害者の死をも含めたコントロールが
快感の一つになっています。

もちろん、性行為(レイプも含む)だけではなく
殺人そのものが犯人に取っては特殊な快楽です。

被害者の遺品を送りつけたりなども
自己顕示欲の現れなのですが
反面、そうした物を「記念」としてコレクションしている方が多いし
こうした殺人を繰り返すのは底辺層が圧倒的に多いです。

犯人が郡をまたがる連続殺人をしていたのなら、エリザベス・ショートは
犯人に取って最高の相手だったかもしれません。

性行為で完結出来ない相手だからです。

スティーヴ・ホデル氏がスライドで
アルバムの写真と遺体の写真を重ね合わせたりする講演会なんかをやってます。

これは私の推測ですが、スティーヴ氏は
父親・ジョージ・ホデル氏が
本当に犯人だったと思ってないような気がするのです。

真の犯人に

「真犯人は、裕福で高度な教育を受けてて外科医でエリートだよーん」

と挑発しているのではないか。

底辺労働者やホワイト・トラッシュ層には無理だし!

と挑発して名乗りを上げるのを待っているのではないかと穿っています。

ロスアンジェルス市警で何年も働き
プロファイリングも導入された時期にバリバリ中間管理職をしていた人です。

他の「なんだかなぁ」なトンでもさん達と比べて、情報の精度が高く
量もハンパなく多いです。

そして、ロスアンジェルス市警の隠蔽体質やら
いろいろ頭にキテるのが分かります。

人は理不尽で悲惨な事件が起こると
「夜道を一人で歩いていたのが悪い」
などと、被害者へも責任転換します。

これは情がないからではなく
「自分の上にも、そうした理不尽で悲惨な事が降りかかるかもしれない」
という不安から、自分の心を守るためのものです。

そして、このブラックダリア事件に魅せられ、自分の家族が犯人だと発表する人は
親との確執を抱えている人が多いのが分かります。

多分、親を乗り越える事に関して
日本人にはない感性や文化のせいです。
乗り越え方が間違ってる気もしますが
アニメやゲームに甘やかされて
永遠の子供でいたい人が多い日本とは違うが故でしょう。

エリザベス・ショートは短期間ですが実父と生活しています。
結局、父親から追い出される形で出ていくのですが
彼女は軍人と結婚する事を本当に熱望していたようです。

制服は権威だけでなく包容力の象徴です。

守ってくれる大人の男性を探しながら
何となく有名になれれば
と思っていたのかもしれません。

この二つの相反する願望が、彼女を放浪の生活に向かわせてしまったのだと思います。

彼女は美しく、コネを与えようとしてくれる人もいたのに
ハリウッドで名をなす事も出来たかもしれないのに
名をなしましたが、それは悲劇の犠牲者という形でした。

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全ての被害者の冥福をお祈りします。


ブラック・ダリア (文春文庫)

ブラック・ダリア (文春文庫)

ブラック・ダリアの真実〈上〉 (ハヤカワ文庫NF)

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切断―ブラック・ダリア殺人事件の真実

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ブラック・ダリアの真実〈下〉 (ハヤカワ文庫NF)

ブラック・ダリアの真実〈下〉 (ハヤカワ文庫NF)

いつも読んで下さってありがとうございます。

弱い人や同じような境遇の人に優しく礼儀正しかったエリザベス・ショートさん。

ランチタイムのレストランのドアを開けて
「よそへ行くの。
どこへ行くかはわたしも知らないけど」
と優しく微笑む姿が見えるようです。