俺たちフィギュアスケーター~好きは信頼~
皆様、こんにちは。
ワタクシ、歳のせいで強度の便秘症なんですが、コメディー映画観ると治りやすいんですよね。
腹筋使うからかしら。
と言う訳で、おバカ映画。
フィギュアスケーターでシングルの選手、ジミーとチャズは犬猿の仲。シノギ削ってます。
演出過剰な振り付け。
セレブで貴公子のような演技をする、正統派スケーターのジミー。
演技中に観客へ、ロックオン!
アウトローで、氷上ではメタルバンドのボーカルみたいなチャズ。
チャズのシングルでの演技は見物です。
The Stroke / Billy Squier
この曲に合わせての、セクシーな振り付け。しかし、表彰式でド喧嘩になり、メダル剥奪、スケート界からも追放される二人。
ジミーは義父から養子縁組解消されます。つまり、捨てられたという事(この毒親・搾取親め)。スポーツショップで仕事の日々。
しかし、子供の頃から義父によってスケートの英才教育を受けて来たので、他の事は何にも出来ません。
一方、チャズは子供相手のアイスショーで、やさぐれながら仕事で滑る日々。
ある日、ジミーの追っかけが来て、アドバイスします。
「シングルで追放になっても、ペアなら復帰出来る」
かつてのコーチに相談。言われて、パートナー探しに行った先は、何とチャズの職場。
「この不遇は、お前の・あんたの
せいじゃあああああっっっ!!!!」
と、再びのド喧嘩。
かつてのスターの、アホな喧嘩はニュースになります。たまたまテレビで、それを見ていたコーチはひらめきます。
勢いよく、リフトするジミー。
投げ飛ばされながらも、綺麗にポーズ取ってるチャズ。
うーん、これはイケるかもしれん。
で、二人のペアを作る事に。
レッスンだけでなく、寝食も共にする事になりますが、最初は喧嘩ばっかりしてます。
それはともかく、男性同士という前代未聞のペア。
クラシックが得意なジミーにはヒップポップ、ロックが得意なチャズにはコンビネーション・ダンス。
時には向かい合っての(ケンカしながらも)柔軟体操や、振り付け練習。
初の二人での予選出場。
テーマは「炎と氷」。
エアロスミスのバラードに合わせて優美に…………あー、えーと。
I Don't Want To Miss A Thing / Aerosmith
さすがはプロ。スイッチが入ると息の合った演技開始。
しかし
太ましいので、クラシックなポーズがコメディーに泣
切ない愛のバラードが流れる中、ビミョーな空気の観客席。しかし、ジミーの転倒をきっかけに、観客へ声援をくれと、盛り上げるのが上手いチャズ。
おかけで息が合い、演技も美しくなります。
極めつけは、男性同士でないと無理っぽいリフト。
「股間の感触がぁあああ」「痛ででででぇ」)
互いの「モッコリ」が目前に。
そしてフィニッシュは松葉く……(言うまい)
高評価。
予選は通ります。
ただ、コーチは「物珍しさと勢いだけで通った」とスッパリ。つまり、今後は二人だけのオリジナリティある技が必要だと言います。
コーチが二人に見せたのは、北朝鮮で試して失敗した「アイアン・ロータス」という技。
男性が女性を上に投げます。
女性は空中で一回転、男性は下で横に回転し、落下して来る女性をキャッチ。
が…………スケート靴のエッジで女性の首が切れて大惨事に。
無謀だと言う二人に、コーチはジャンプ力のある(そして投げ飛ばす力のある)男性ペアなら可能だと言います。
特訓の日々。
そして、二人を強力なライバルだと見抜いた、ペア部門でトップランカーのウォルデンバーグ兄妹。末っ子のケイティに、ジミーとチャズの両方を誘惑して仲たがいさせるよう命じます。
才能ある兄と姉の雑用係みたいに扱われてきたケイティは、スケートなんて下らない、とこぼします。
「それでも、僕はスケートが好きなんだ」
と答えるジミー。このピュアさに好意を持つケイティ。
ジミーがケイティに好意を持っているのを知るチャズは、誘惑にも、じっとガマン。
なにより、寝食を共にしてから、ジミーとチャズはそれまで知らなかった、互いの部分を知っていきます。
子供らしい事を何も経験させてもらえなかったジミー。
親もいなくて、凍る地下の下水道で滑る事を覚え、悪い事もしながら生きてきたチャズ(ヘアブラシを大切にしてきたエピソードは泣けます)。
それぞれ、実は、深い孤独を抱えていて、それを支えてくれたのがスケートでした。
日本人プレスに流暢な日本語で答えるジミーを、尊敬の眼差しで見るチャズ。
女性経験が豊富で、その心理に詳しいチャズから、恋愛のハウツーを聞いて、その観察力に驚くジミー。
いつしか、頼れるアニキみたいになっていくチャズ。
それをスゴいスゴいと聞いている、無垢な弟みたいなジミー。
ウォルデンバーグ兄姉(写真だけですが、二人の「ケネディとモンロー」も、アホアホで素晴らしいです)は大会当日、二人を別々に監禁し出場させまいとしますが、それを何とか逃れます。
先にリンクで待つジミー。
冷凍みかんみたいになって到着するチャズ。
二人の演技が始まります。
曲はクイーン。
テーマはSF。
皆様、この演技だけでも見て下さい。
テーマはSF。二回言いました。
「ペア」は男女でなくてはいかんと決まってますが、それを覆す演技(ボーカル入りの曲もホントはダメ)。
そして、SFでロボットという事は、性がない。
これはトランスジェンダーにも関わって来る深いテーマです。
「二人の言いなりにはならない!
私はジミーが好き!」
と兄姉に決別宣言し、観客席に来たケイティ。
いつも自分ばっかり目立ちたがるのに、ケイティに見せろと、ジミーをメインにするチャズ。
苦手で嫌いだった、セクシーな振り付けをキメるジミー。
そして、アクシデント発生。急遽、役を代えてアイアン・ロータスに。
ぶっちゃけ重いチャズ、腕力がイマイチのジミー。
かの大技はなるのか!?
冒頭のド喧嘩シーンが活きます。
ペアでスケートというのは、多分、互いの技術を相当に信頼していないと、演技が出来ないと思います。
近い距離で飛んだり跳ねたり回転したり。
この二人は根底では、お互いがスケート選手として、ちゃんとした力量を持っていると知っているから、リンク外ではアホアホなケンカになっても、氷上では心を1つに出来ます。
輪郭の細いオタクっぽいジミーが、氷上では王子のように変わります。
太ましいチャズが、氷上ではロックなカウボーイに変わります。
特にチャズ役の俳優さんは、この映画のために8キロも体重を増やしています。
二人が最後に手に入れた物。
それは栄光とか名誉とかではなく。
大笑いの後に、細かい演出に気付き感動が来ます。
おバカ映画と揶揄される作品ですが、当時の技術を最大につぎ込んでます。ハリウッドすげぇ。
便秘症の方でなくとも、ぜひ、ご覧下さい。
水